妄想小説です。BLの意味が分からない方&不快に感じる方はブラウザバックでお願いします。

 

 

 

それでもどうリアクションすればいいの分からないゴロは無言で食器を洗い続け、サブは仕方なくトボトボと自室へ向かう。

サブが立ち去ったキッチン、いつもならリビングでわちゃわちゃしているはずの4兄弟の姿はそこにはなく、流れる沈黙はゴロには重すぎる。

時計の音すら耳障りにゴロの鼓膜を不快に刺激し、ゴロは深い溜息を吐いて水と止めてからゆっくりと振り返った。

ガランとした空間が悲しくて立ち尽くすゴロ、その姿を物陰から見つめていたのは風呂上りのジロだった。

冷たいシャワーを浴びてクールダウンしたジロは先ほどの態度をゴロに謝りたくてキッチンに来たはいいが、悲嘆に暮れるゴロの姿を目の当たりにして立ち竦んでいる現実。

本来であれば年上の自分がこの状況を諫めるべきだったのに逆に煽ってしまった。

そのことを悔いてみても、既にこんがらがった糸を解くのは簡単ではなくて。

ゴロとの対話を諦めたジロは、足音を忍ばせながら自室へと引き上げてスマホを手に取る。

「風呂、終わった」

と、ゴロにメッセージを送るとすぐに既読がついたけれど返信はなく。

ジロは暫く天井を見上げてから、ノロノロと布団へと潜り込んだ。

*****

次の日、ジロはいつもより早く出勤する必要があり、5時には起きて身支度を整える。

そしてキッチンに向かうと既にそこにはゴロの姿があって、想定外の状況に狼狽えて立ち尽くしていると、

「・・・おはよう、ジロくん」

その気配に気がついたらしきゴロが振り返って声をかけてきた。

「・・・おはよう・・・随分と早いな・・・?」

「うん、ちょっと眠れなくてさ」

「そっか・・・」

ジロも昨夜はロクに眠れずに重い頭を抱えているも、きっとゴロも似たような状況なのだろうと悟る。

それでも高校1年生ながら兄弟のために朝食作りとお弁当作りに励むゴロに、ジロは心底申し訳なく感じて俯いた。

 

「あのさ・・・ゴロ」

ジロが口を開きかけたその時、

「・・・おはよう」

そしてそこにサブも入ってくる。

ジロとゴロが見遣ると、白目を充血させたサブの姿があった。

・・・これはヤバイ。

このままだと舞賀5兄弟が崩壊するかもしれない。