妄想小説です。BLの意味が分からない方&不快に感じる方はブラウザバックでお願いします。
潤は助手席にA葉を座らせると、自身は運転席へと乗り込む。
ハンドルを握っているのはもちろん潤。
潤は時折ルームミラーモニターで後方席の様子を確認しながら智の邸宅への道を、法定速度を遵守しつつも最大限に急ぐ。
その間もA葉は蹲るような体勢で、襲いくる衝撃に必死に耐えている様子だ。
潤も同性としてA葉の辛さは理解でき、自ら望んで参加した治験バイトの結果とはいえ同情的な意識が芽生え始めている。
潤がルームミラーモニター越しにN宮の様子を確認すると、後部座席の運転席サイドに座るN宮の意識はまだ戻っていないらしい。
首を折るように顔を伏せているため表情までは確認できないが、呼吸は浅く時折苦しげな声が混じった。
智はチラチラとルームミラーに視線を動かす潤に気がついたのか喉の奥で低く笑う。
また背筋にゾクリと冷たい感覚が走ったのは、恐らくは潤の気のせいではない。
そもそも、智がこんな風に誰かに執着に似た感情を露わにすること自体が珍しいこと。
大企業の御曹司であり、外見的にも秀でている智に近寄ってくる人間は少なくはない。
智の近くに存在できる人間は、性別問わず一般的には勝ち組とかエリートと呼ばれる類の人種だ。
そして智は来るものは拒まないものの基本的に彼らに深い興味を抱くことはなく、結果的には失望したように相手の方から離れて行くことが常。
あくまで生理的な欲求を解消するための手段としてしか見なしておらず、それは酷いことのように感じるかもしれないが相手サイドも打算ありきで智に近づいてくるのだからどっちもどっちなのだ。
「ボス・・・?」
「潤・・・薬の作用って凄いんだな?N宮は意識がないのに・・・ここはパンパンに張ってる」
ニヤリと笑った智は、シートベルトを着用したまま器用にN宮を背後から抱き込むと、 そのまま股間へと手を伸ばした。
潤とA葉は智の行動には驚いたようで、A葉は苦しげに呻きながらそれでも振り返ったままで智たちから視線を逸らせずにいた。