妄想小説です。BLの意味が分からない方&不快に感じる方はブラウザバックでお願いします。

 

 

 

「・・・いいだろう。で、S井、用件は?」

 

「チッ・・・品が良さそうなツラしていい性格してんのな?まぁ・・・いいや。第二実験室の控室に2人の荷物があるから持って行ってくれ・・・それから、そのままだとN宮もA葉も苦しいままだと思うよ?自然にそうなってるんじゃねぇ・・・薬の作用だからな?」

 

「・・・・・・」

 

「とにかく、2人の書類は俺が処理しておく・・・もうここには来させないでくれ・・・それから、これ・・・やる」

 

S井はそれだけ言って潤に白い袋を手渡すと、踵を返す。

 

「・・・なんだよ・・・これ」

 

「そいつらの精 液を保管するための試験管だよ・・・名前入りのラベル貼ってるし剥がすのも面倒だからお前らにやる」

 

「・・・これをどうしろと・・・?」

 

「知らねーよ!そっち破棄すればいーんじゃね?」

 

言い捨てるみたく言ったS井は、そのまま振り返ることもなく来た道を戻って行った。

 

S井の姿が見えなくなるのを確認してから潤が智の隣に腰を屈めて視線を合わせる。

 

いつの頃からか潤は・・・時折、智のことを全て見透かすような瞳で見つめるようになったのだ。

 

その視線には時として居心地の悪さを感じさせられることもあるけれど、

 

「潤」

 

「・・・承知しております」

 

潤は一言だけ答えて何処かへと姿を消す。

 

この短いやり取りだけで、智の心を察してくれるのであるから楽な部分でも会った。

 

「・・・っ・・・あぁ」

 

「ニノぉ・・・俺・・・限界」

 

智がチラリと視線を下の方へと落とすと、2人の股 間部分位不自然な膨らみがあることが見て取れた。

 

・・・これは苦しいだろうな。

 

同じ男として同情を禁じ得ず、

 

「・・・名前は?」

 

少しでも気が紛れればと智は色白の青年に先に声をかけるも、

 

「・・・N宮・・・和也っ!」

 

上擦った呼吸の元でなんとか答えたものの、その色素が薄めの蜂蜜色の瞳の色は中性的で線が細い外見とは似合わず鋭いものだった。

 

「では、キミがA葉雅紀くん?」

 

次にミルクティーブラウンの髪の青年へと視線を移してから智は問うた。

 

A葉は答えることもできずに、涙目でコクコクと頷くだけで精一杯な様子。