妄想小説です。BLの意味が分からない方&不快に感じる方はブラウザバックでお願いします。

 

 

 

羞恥心から逃げ出したいいが、結果的に媚薬の効果を持て余しているといったところか。

 

「必要なのはこの2人が出した精 液のサンプル、それからその後の体の変化・・・もしまだ勃 起が続くようならそれが治るまで繰り返す形になるけれど」

 

S井の言葉を黙って聞いていた智は潤の肩に触れ、腰を落としてから向き直るとN宮とA葉を抱き寄せる。

 

その間も2人は苦しげな呼吸をしていて、呻くような声も漏れていた。

 

するとS井は僅かに眉を顰めてみせ、智が隠すよう抱き込んだ2人に視線を投げてから、 小さくため息を吐く。

 

「・・・副社長」

 

「S井くん、この2人は俺とほぼ同年代の学生だ・・・その研究内容は酷だと思うんだ」

 

血気盛んな若き研究者であるS井がプライドを持って仕事に従事していることは智もキチンと理解している。

 

けれど、今回だけは何故か智はこの2人のことをこのまま放り出す気にはなれなかったのだ。

 

智の意図を敏感に察知したS井は、

 

「・・・はぁ・・・そうですか。ラボの管理者でもある副社長にそんな風に言われてしまっては・・・私も2人の参加を強制することはできません」

 

慇懃無礼とも取れる態度を智に向ける。

 

「悪い、決してS井くんの研究内容を批判しているつもりはないんだ」

 

「・・・承知しています。センシティブな内容の研究であることは十分理解していますし、その旨は被験者に対する説明でも配慮したつもりでしたが・・・私の力不足でした」

 

「・・・その言い方は」

 

潤が窘めるように言いかけたのを智が制し、

 

「これは俺の個人的な感情による行動だ・・・今後はこんなことがないように・・・研究内容に口を挟むような真似は2度としない・・・今回だけは見逃してやってくれ」

 

智は立ち上がってS井の前に立つと、穏やかな口調で謝罪の言葉を述べた。

 

「分かりました・・・私の方こそ、直属の上司にあたる副社長に生意気な口をきいて申し訳ありませんでした」

 

S井はペコリを頭を下げてから、

 

「M本」

 

と、潤に声をかける。

 

「いきなり呼び捨て?」

 

と、不服そうな潤に、

 

「だってお前は確かに副社長の側近ではあるけれど立場的には部下の1人だろ?俺らと同じじゃん?」

 

ムスッとした不機嫌丸出しな表情でS井が言い放った。