妄想小説です。BLの意味が分からない方&不快に感じる方はブラウザバックでお願いします。

 

 

 

「・・・あの」

 

どうしてこのクソ真面目なシーンでM本さんが笑っているのか理由が分からなくて反応に困っていると、

 

「ね?翔くんには俺の言葉の意味が分からないんでしょ?もう、それが答えなんだよ」

 

彼の腕が伸びてきて、俺の頭をポンポンと撫でた。

 

「すみません・・・本当に意味が」

 

「つまり、翔くんから見たO野さんと俺が伝えたO野さん像が解離しすぎていて理解できないってことで合ってる?」

 

「・・・はい」

 

「説明が難しいし公私混同になっちゃうことに関しては申し訳ないと思ってる・・・でも現状、俺が知る限りの人材の中では、やっぱりキミが相応しいと本気で考えているんだけど」

 

「・・・・・・」

 

俺が答えられずにいると、

 

「翔くんは時間の管理とか得意?」

 

急にM本さんが話題を変える。

 

スケジュール管理に関しては得意である自覚があって、むしろそれが交友関係とかにも影響しちゃってるくらいで。

 

「・・・それは自信があります。そもそも、俺は時間の使い方が細かすぎるって・・・友達とか彼女とかには嫌がられてたくらいで」

 

素直に答えると、

 

「それは助かる・・・O野さんはその辺りがアバウトだからね・・・翔くんみたいにしっかりした人がマネージャーになってくれたらO野さんのアーティストとしての成功は確実だと思うんだけどな」

 

溜息をついてチラッと俺に視線を流したM本さん。

 

演技がかったその仕草が分かり易すぎて、苦笑せざるを得ない。

 

俺だって智くんのマネージャーになれるなんてこれ以上ないくらいに嬉しい。

 

けれど自信がないことが素直に受け入れられない理由の一つ。

 

その不安感がM本さんに伝わったのか、

 

「心配しないで?仕事に関しては翔くんがなれるまでちゃんとフォローするから」

 

優しい笑顔でそう言ってもらえて少し安心した。

 

そしてもう一つの理由・・・こっちの方が俺にとっては重要だった。

 

「M本さん・・・智くんのマネージャーのお話・・・正直、凄く嬉しいんです・・・それは本音です・・・でも」

 

「・・・でも?」

 

「俺が智くんのマネージャーになることで彼が負担に感じることがないって・・・その確信が持てるまではお受けすることはできません」

 

「・・・翔くん」

 

「まず・・・俺が・・・自分で智くんに話してみて・・・それで彼が納得してくれるんだったら・・・喜んでお受けしたいです」

 

「・・・頑固だね?」

 

M本さんはそう言って笑ってから小さく頷いて、

 

「分かった。O野さんと話して・・・決まったら俺に連絡してね?」

 

また俺の頭をポンポンしてくれた。

 

・・・俺、もしかして子供扱いされてる?