妄想小説です。BLの意味が分からない方&不快に感じる方はブラウザバックでお願いします。

 

 

 

M本さんは不思議そうな顔で俺のことを見つめている。

 

もうね、M本さんも本当にめちゃくちゃイケメンで、表情や仕草一つまで何でもサマになる。

 

智くんと並んでも違和感のない、そんなM本さんの存在を目の前にして凹むなと言う方が無理な話だと思うんだ。

 

「翔くん・・・?」

 

「あの・・・俺、ちょっと智くんのこと・・・見てきてもいいですか?もちろん、お客様の邪魔にならないように遠目からで大丈夫です」

 

「いいけど・・・少し待ってもらえればちゃんと時間取るよ?O野さんだって翔くんに頑張っている姿を見て貰って、その後で一緒に過ごすことだけを楽しみに頑張ってるんだし・・・褒めてあげてよ、O野さんのこと」

 

「・・・そんな・・・俺なんて」

 

「翔くんの悪いところは・・・そういうところなのかな・・・こりゃO野さんが心配で手放せない気持ちも分かる」

 

M本さんは盛大なため息を一つ吐くと、

 

「あのね・・・俺は今日、翔くんにお願いしたいことがあって・・・それをお願いするためにキミの人間性を知る必要があったんだ。試し行為もその手段の一つ」

 

真面目な表情で真正面からM本さんの視線に捕らえた。

 

ビクッと震えた情けない俺の姿を見てもバカにするでもなく、表情を崩さないM本さんの口から告げられた内容は俺にとっては衝撃的すぎて。

 

「・・・智くんのマネージャー・・・俺が・・・ですか?」

 

「うん、キミ以上の適任者はいないと思ってるよ、俺は」

 

驚きすぎて言葉が出ないでいると、

 

「智くんが惚れ込んでいる人間であるっていうのも大きいけれど、それだけで人を選ぶほど俺は甘くないつもりだよ?今日、短時間ではあるけれど翔くんと接して、その上での判断だ」

 

少し前のめりになったM本さんが、事情を説明してくれる。

 

「俺はオーナーの秘書だからね?あくまでO野さんの管理は臨時的なことであって、できるだけ早く正式なマネージャーを決めたいって思ってたんだ」

 

「でも・・・それならきちんと条件を提示した上で求人を出した方が確実なんじゃ・・・?」

 

「うん、まぁ・・・それが正しい方法だよね。でもね、O野さんって扱いが難しいんだよ。誰にでも任せられる人物じゃない。だから、俺が睨みをきかせてるわけなんだけど」

 

「・・・そうですか?」

 

俺から見るとすごく優しい人にしか見えないんだけどな。

 

M本さんの言葉の意味が分からず首を傾げていると、

 

「ほら、だから翔くん以外考えられないんだってば・・・O野さんのマネージャーは」

 

そう言ってからM本さんが吹き出した。