妄想小説です。BLの意味が分からない方&不快に感じる方はブラウザバックでお願いします。
怪しい空気感満載の中、既に出発時刻を30分ほど過ぎているということでバタバタと準備を済ませた2人は急いで車の後部座席へと乗り込んだ。
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車が着いたのはスタジオではなく、都内にあるカフェ。
この日は、このカフェを使って雑誌の撮影が予定されているが、一般客が来る前の時間帯を利用させてもらっている形だ。
イングリッシュガーデン風のそのカフェは高い天井と明るい採光、温もりのある木製の家具が特徴的。
たっぷりのクロテッドクリームとジャムが添えられたイギリス式のスコーンが有名らしいその店は、紅茶の種類も充実している人気店。
木製の重厚な扉をスタッフに開けてもらい店の中へと一歩入れば、チリンチリンと可愛らしいドアベルの音が鳴って来客を告げる。
既に他のメンバーたちは到着済みで、スイーツ大好きなO野とA葉は早速にもスコーンと紅茶を楽しんでいるらしい。
ニノは紅茶を自身の前に置いてスマホゲームをしていたが、翔と潤の到着に気がついて顔を上げた。
2人の顔を見るなり3人はニヤニヤが止まらなくなる。
揃ってボサボサの髪の毛と髭、これは何かあったなとゲスな想像をしてしまうのも仕方がないことだろう。
翔が3人の顔を一瞥してから、
『・・・こいつら・・・これ、絶対ぇ揶揄われる』
と、覚悟を決めて鎖で繋がった潤を視線で促し隣のテーブルへと着席する。
すると案の定、A葉は開口一番で、
「・・・潤くん、お髭生えてる・・・可愛い♡」
と、潤を追い詰めるような発言をかます。
その隣でニノも笑いを噛み殺すことができずに肩を震わせ、O野もニコニコ笑っている。
そして潤は言い訳をする気力もないのか、居た堪れない雰囲気で俯いていた。
そんな姿を目の当たりにすると居心地が悪くなるのは翔の方で、
『俺はなんも悪いことしてねーもん』
と、内心は不満タラタラだが、それを口にすればさらに揶揄われることは必至なのでグッと堪える。
けれど黙っていられなくなったのか、
「いや、昨日は潤が風呂で上せちゃってさ?」
なんて余計なことを口走ったがために、潤の顔がぼっと赤くなる。
「・・・上せるくらいに長風呂したのかよ ww」
O野がスコーンを口に頬張りながらそう言った時に、翔は余計なことを言ったことに改めて気がついて横目で潤の様子を伺った。