妄想小説です。BLの意味が分からない方&不快に感じる方はブラウザバックでお願いします。

 

 

 

 

「しょおくん・・・自分でできるから!」

 

「・・・ダメ、俺がやる」

 

潤は翔が自分の世話を焼きたがることに赤面した。

 

けれどまるで溺愛しているペットの手入れをするみたく、髪からボディまで不器用な手つきながら丁寧にケアしてくれる翔の好きなようにさせている。

 

が、そんなこんなで気がつけば迎えの時間ギリギリ。

 

・・・なんといっても、翔はあまり器用なタイプではない。

 

念入りにお手入れされてしまった潤がふと浴室に持ち込んでいたスマホを確認すると、既に入浴開始から40分が経過。

 

この時点で翔の方は手付かずの状態で、慌てた潤が頭から足先まで一気に泡泡にしてから、まとめて洗い流した。

 

「プハッ・・・お前、俺の扱いが雑すぎるだろ?」

 

「もう!時間がある時にちゃんとしてあげるから・・・今は急いで。はい、歯磨きもして・・・うわぁ・・・髭は剃る時間ないよ?」

 

「髭なんて現場で剃ればいーじゃん?」

 

「しょおくん、とにかく急いで!迎えが来ちゃ・・・う」

 

潤が必死で翔を急かすも時既に遅し。

 

そう。

 

実はこの日はスタッフは到着次第、ベルも慣らさず部屋に突入予定になっていたのだった。

 

2人のナチュラルな姿を撮影したいという意向からだったのがだ、

 

「(ス)・・・おはようございます」

 

無防備でナチュラルすぎる翔と潤の姿にスタッフも困惑気味だ。

 

濡れた髪のまま、なんとか下半身だけは着衣を済ませていたものの上半身は間に合わなかった2人はポタポタと滴を髪の毛から落としながらフリーズしていた。

 

気まずい空気が翔潤とスタッフの間に流れるも、

 

「(ス)寝坊ですか?少し待ちますので、準備を済ませちゃってください」

 

翔は潤に例の改造Tシャツを羽織らせマジックテープを止めながら、

 

「・・・やらかした」

 

と、天を仰いだ。

 

・・・これで3人から際限なく揶揄われる弱みを握らせることになる。

 

自分もTシャツを着用して、ゲンナリと肩をとした翔のシャツの裾を潤が軽く引く。

 

「・・・ん?」

 

 翔が視線を向けると潤が何か言いたげに彼を見つめる。

 

その意図を察して翔はカメラに向き直ると、

 

「・・・すいません、お見苦しいものをお見せして」

 

と、謝罪の言葉を口にするも、スタッフから返ってくるのは苦笑ばかり。

 

「(ス)いえいえ、いいものを撮らせていただきました」

 

などというオマケの言葉付きで、潤は恥ずかしそうな顔をして視線を彷徨わせていた。