妄想小説です。BLの意味が分からない方&不快に感じる方はブラウザバックでお願いします。
翌朝、智くんは5時半には起きてシャワーを浴び、ササッと俺の分まで朝食を作ってくれた。
シャワーの間に俺が作ろうと思ったんだけど智くんから必死の形相で止められた・・・どうしてだろう?
智くん特製のフレンチトーストが美味しくて、レシピを教えて欲しいって伝えたら、
「ああ・・・まぁ・・・機会があったらね?」
みたく歯切れの悪い返事しか返ってこなかったけれど。
そっか、暫くは個展で忙しいし智くんの手を煩わせちゃダメだもんね。
と、俺は自分を納得させてここからは本領発揮。
智くんの着替えの手伝いができることも嬉しいし、スーツも靴も俺が選んだ品々だ。
それを着て個展の初日を迎えてもらえることも誇らしく、俺は心を込めて智くんの着替えの介助をさせてもらう。
アンダーパンツ姿の智くんがセクシーすぎて直視できない俺の気持ちを知ってか知らずか、
「翔くん、どした?」
惚けた表情で顔を寄せられてボッと発火したみたく顔が熱くなった。
智くんの意地悪!
オロオロする俺を目を細めて見つめる智くんが、
「マジで可愛すぎる・・・」
とか真顔で言ってくるから、
「もう!智くん・・・遅れちゃうよ?」
グラグラと揺れる自分の気持ちを押し殺しつつ、浅黒く日焼けした逞しい智くんの上半身を隠すようにシャツを羽織らせて、上から順番にボタンを留めていく。
次にネクタイを智くんの首にかけてから形を整える俺を、智くんが愛おしげに見つめてきて、もう緊張感でギコチナイ動きしかできなくなる。
それでも、彼は文句を言うでもなく、黙ってされるがままになってくれていた。
ただただ俺を見つめる智くんに、
「智くん・・・俺、後で行くから」
そう伝えてみる。
本当は一緒に行きたいけれど、そんな我儘を言えるはずもない。
「・・・全身迷彩とかはダメだよ?」
俺の私服のセンスを知る智くんから揶揄うように言われて、
「・・・分かってるってば、ちゃんとスーツ着ていくし」
剥れた俺の頬に智くんが優しいキスを落とす。
そう、俺たちは頬にキスをするくらいの関係止まり。
智くんが俺の反応を探ってくれているのも知ってる。
でも、素直に甘えることができない意気地なしな自分がもどかしくて嫌いになりそうだ。
「・・・待ってる」
なんて言われて、もう智くんがイケメンすぎるとか、どうして俺なんて選んでくれたんだろうとか。
考えがまとまらなくて、頭の中がグルグルする。