妄想小説です。BLの意味が分からない方&不快に感じる方はブラウザバックでお願いします。

 

 

 

「翔くんは初めてでしょ・・・その・・・男とこういう関係になるの。なんか俺が有無を言わせず俺の傍に掻っ攫った感じがして・・・ごめんね、翔くん」

 

智くんの声に後悔の色が滲んでいる気がして辛くなって、

 

「・・・後悔してる?」

 

とか、ネガティブ発言をした俺に、

 

「・・・声をかけなかった方が絶対的に後悔したと思う。だから・・・これから先、どうなるかは分からないけれど、翔くんが嫌じゃなければ傍にいて欲しいんだ」

 

智くんはそう言いながら優しい仕草で頭を撫でてくれた。

 

こんな風に誰かにリードしてもらう経験も俺にとっては初めてで、もう気分は完全に乙女←

 

智くんに甘えたくて仕方なくて身体をグイグイ押し付けると、

 

「・・・翔くん、俺も男なんだよ?好きな相手に密着されると辛い」

 

困ったような声が頭上に降ってくる。

 

「ゆっくり進もう・・・今日はとにかく、寝なくちゃ。俺も明日は初日で特に大切な日だし」

 

深い溜息の後で俺の頭に顎を乗せて、

 

「7時に迎えが来るんだ・・・オコになるとスゲー怖いマネージャーがさ」

 

少し面倒臭そうに言うから、

 

「前に怒ると般若みたいになるって言ってた人?」

 

ちょっと気になって質問してみた。

 

「そう・・・その人。名前はM本潤で本来はオーナーの秘書なんだけど」

 

「M本さん・・・会ってみたいな」

 

「嫌でも明日・・・会場で会うことになると思うよ?でも」

 

智くんが俺に回した腕の力が強くなって、

 

「会わせたくねーんだよなぁ」

 

と、苛立ちを隠せない様子で呟いた。

 

「・・・どうして?」

 

・・・俺じゃ智くんに相応しくないから?

 

とか悲しい気持ちが湧き上がって来た俺に、

 

「またネガティブなこと考えてない?違うから!そうじゃなくて、顔だけはイケメンなんだよ、潤の奴」

 

智くんが呆れたみたいに言う。

 

「・・・イケメン?」

 

「ああ、画廊のスタッフ的な立ち位置なのにファンがめっちゃついてる・・・それに」

 

智くんは俺の肩を押して少し身体を離して真正面から見つめると、

 

「面食いなんだよ、あいつは。しかも翔くんみたいなタイプはドストライクなはずだ」

 

とか意味不明なことを言い出した。

 

「・・・俺のことを好きになってくれる男子なんて智くんしかいないと思うけど」

 

それを受けて咄嗟に口に出た言葉に、

 

「甘い!翔くんは自分のことが全然分かってない!!」

 

智くんは憮然として、

 

「自分の魅力が全然分かってないから・・・心配なんだ」

 

また俺を強く抱きしめてくれた。