妄想小説です。BLの意味が分からない方&不快に感じる方はブラウザバックでお願いします。

 

 

 

「(ス)じゃ、コレ、カレーセットですから」

 

手渡されたエコバッグの中には、カレールーの箱とか野菜とか米とかが入っていて、それとは別に赤と紫色のホルターネックのエプロンもある。

 

「(ス)これなら手錠をしていても着脱可能です」

 

「・・・確かにそうだけど」

 

「よし、潤、俺は何をしたらいい?」

 

キラキラと瞳を輝かせた翔の姿にゲンナリとした様子の潤は、

 

「・・・何にもしなくていいから、とりあえず俺の邪魔をしないで」

 

諦めモードでそう言った。

 

「なんだよ、それ!」

 

「そもそも、しょおくんってばお料理ガチでダメなんだし。左手で何かをできるほど器用じゃないでしょ?だから俺の手の動きを阻害しないようについて来てくれたらいいから。特に包丁扱ってる時とかマジで危ないからね?」

 

真顔の潤に震え上がった翔は、

 

「・・・はい」

 

と、渋々ならが従うことにしたらしい。

 

「(ス)とてつもなくシュールな光景ですね」

 

「誰のせいでこうなってると思ってんの?」

 

「それは・・・しょおくんのクジ運の悪さも影響してるんじゃない?」

 

「・・・潤(怒)」

 

「もぉ・・・いいから。ほら、次はジャガイモの皮剥き。しょおくん、ジャガイモ取ってくれる?大きめの一個で足りるでしょ??」

 

炊飯器のセットから一悶着あり、既に潤は疲れた顔を見せていた。

 

コメを洗剤で洗おうとした家事能力の全くない翔が潤に叱られている様は、もはや夫婦のようにすら見える。

 

「・・・じゃあ、これ」

 

「ありがと」

 

翔から手渡されたジャガイモを潤が左手で持つと、手錠で繋がった自分の右手を翔が潤の方へと寄せる。

 

右手で包丁を持った潤がジャガイモの皮を向きながら、

 

「ピーラーがないから、しょおくんはマジで何にもしなくていいからね?」

 

と、翔に釘を刺す。

 

「えー・・・でも映像的には俺も何かした方が面白いんじゃねーの?」

 

「事故を起こす未来しか見えなんだけど。俺、怪我したくないし」

 

「どんだけ信用ねーんだよ、俺って」

 

「とりあえず現状、料理に関しては信用度ZERO」

 

「お前、マジで酷くない?」

 

「じゃあ、調理はしょおくんがやってみる?刃物は怖くて扱わせられない・・・巻き込み事故を怖いし」

 

「お、じゃあ俺がやる」

 

潤が野菜の皮を剥き終え、肉も含めて一口サイズにカットしてから材料を翔の方へと押しやった。