妄想小説です。BLの意味が分からない方&不快に感じる方はブラウザバックでお願いします。
「・・・えっと」
慣れないキッチンに立ち、キョロキョロと周囲を見回してから、
「智くん・・・勝手に冷蔵庫開けてゴメンね」
心の中でお詫びしてから食材を確認してみる。
「わ・・・俺の家の冷蔵庫とは全然違う」
中は綺麗に整理されていて、でも凄く生活感があるかと問われるとちょっと違うような。
なんかオシャレなモデルルームとかマンションのパンフレットに載っていそうな・・・そんな雰囲気。
卵とか野菜類、チラッと視線を移すとパントリーに置かれたカゴの中に果物があった。
「目玉焼きとか・・・それともオムレツ?でも、作ったことないから危険かな」
小声で独り言を言いながら思案を巡らせていると、ふと視界に飛び込んできたのがミキサー。
重厚感があって高級そうなそれを見た瞬間に、俺にアイデアが降りてきた。
「そうだ・・・朝食だしサラダボウルとか良さそうだけど、それをジュースにしたらもっと便利じゃん?」
昨日はお酒も飲んでいるから智くんも食欲がないかもしれないし、でもジュースならサラッと飲んでくれると思う。
「よし、ミックスジュースに決めた!」
俺は冷蔵庫を漁って胡瓜を取り出し、シーザードレッシングも手にとった。
「うん、サラダを作るなら使うものだしドレッシングは味のアクセントになるかも。あっ!栄養バランス的には牛乳も必要だよね?」
胡瓜を水洗いして、捜索の末に見つけ出したカッティングボードの上に置く。
「あとは・・・リンゴとキウイ・・・これで大丈夫かな」
それらもザッと水洗いしてからボードの上に置き、そしてここから俺の戦いが始まったのだ。
最初の鬼門が包丁の扱い。
俺、あまり器用な方じゃないから野菜とか果物の皮剥きなんて得意じゃない。
ミックスジュースを作ろうと思った理由の一つもここにあって、ジュースにしちゃえば見栄えなんて関係ないと言う目論見も実はある。
・・・好きな人に幻滅されたくないじゃん。
悪戦苦闘しながら分厚くリンゴの皮を剥き、その過程でついでに俺の指先の皮も多少剥がれた。
絆創膏なんて持ってないから手元にあったキッチンペーパーで血液を拭って。
キウイに至っては皮が柔らかくてまともに剥けなくて、色々と角度を調整しながら切り進めて行くと随分と小さくなってしまった。
胡瓜は適当に切っただけ。
・・・いいのかな、こんなので←
*瑞樹注*
本当はきちんと止血して処置してから調理を再開しないとダメです💦