妄想小説です。BLの意味が分からない方&不快に感じる方はブラウザバックでお願いします。

 

 

 

真面目で穏やかで優しくて、でも公私混同することもなく【O野智】の立ち位置だって誰よりも深く理解できている。

 

きっと、智くんだってカズを片時も離すつもりはないだろう。

 

「・・・カズ、これからも智くんと一緒にいたい?」

 

S井の質問に真っ直ぐな瞳を返したカズは、

 

「・・・はい」

 

と、はっきりと頷いた。

 

「そっか・・・ありがとう・・・カズ」

 

S井も頷きで返すと、

 

「俺もそろそろ・・・智くんから卒業しなくちゃ・・・な」

 

小さな声で呟いた。

 

その言葉はカズにも届き、

 

「・・・A葉さんが待ってますもんね?」

 

と、少し小悪魔な笑顔を浮かべる。

 

「おまっ・・・だから、そう言うトコが・・・!」

 

と、翔が言いかけると、

 

「翔ちゃーん、どこーっ?!」

 

stormのチーフマネージャーのA葉の明るい声が廊下に響いた。

 

「・・・来た」

 

「ふふ、やっぱりS井さんお相手はA葉さんでしたか?」

 

「・・・S井さんはヤメロ・・・翔でいい」

 

「・・・じゃあ、翔さん。ほら、早く返事しないとA葉さん、ずっとあのままですよ?」

 

「仕方ねーな・・・マジであいつウザい」

 

「退屈はしなさそうですよね?僕もA葉さんのことは大好きです」

 

「マネージャー統括の潤にも紹介しないとな・・・お前のこと」

 

「って言うか、ここのマネージャーってどうなってるんですか?マネージャー軍団だけでも芸能人やって行けそうなレベルの人ばかりじゃないですか?」

 

「つか、お前もその仲間になるんだぞ?」

 

「・・・どう言う意味ですか?」

 

「智くんの一番近くにいられるのはマネージャーだぜ?恋人としての立ち位置だけじゃプライベートでしか一緒にいられないだろ?」

 

「僕なんて・・・」

 

カズはそう言いかけて口籠もり視線を床に落としたけれど、次に顔をあげた時にはなにか決意を秘めたような光をその瞳に宿し、

 

「全力で頑張ります」

 

自信に満ちた態度でS井を見つめる。

 

「智くんのこと・・・頼んだ」

 

「・・・はい」

 

カズが言い終わったタイミングで、

 

「翔ちゃん!見つけた!!って言うか、この子は誰?!」

 

無邪気な笑顔を浮かべた、翔と同じくダークカラーのスーツ姿のA葉が、サラサラのミルクティブラウンの髪の毛を揺らしながら飛び込んできた。