妄想小説です。BLの意味が分からない方&不快に感じる方はブラウザバックでお願いします。

 

 

 

 

そもそも、番組内で女子選手相手に軽く組んだけど、プロの動きに俺がついていけるはずもなく、それが男で格闘技師範の資格持ちであるO田さんならなおさらのことであるのは明白。

 

「・・・勘弁してくださいよぉ」

 

涙目で訴える俺の言葉は聞こえないフリでスルーされ、

 

「・・・うわっ?!」

 

一気に踏み込んできたO田くんに道着を取られて背後に引き倒され、そのまま右腕でヘッドロックされた上に俺の右手はO田くんの脇左で挟まれて、袈裟固めで完全に抑え込まれてしまった。

 

あっという間の出来事で、俺が呆然と天井を見上げていると、

 

「怒ってる怒ってる ww」

 

クックッと笑いを噛み殺す悪趣味なO田くんは、気配だけで潤の怒りを感じ取っているらしい。

 

さすが試合中には常に殺気と闘っているだけのことはあると、俺はこんな状況下にもかかわらずそんなことを考えてしまう。

 

顔が近すぎるO田くんの吐息が顔にかかって、思わずそちらに視線を向けるとバッチリと視線が絡んでしまって、そんな俺の視線を捉えつつ更に悪い笑みを彼は浮かべた。

 

・・・嫌な予感しかしねぇ。

 

「このままキスでもしちゃう?」

 

「ちょっ・・・冗談でもそういうのは止めてください」

 

体勢的にはラブシーンとまるで同じで、俺は焦りを隠すことができずポーカーフェイスも完全に崩された。

 

そんな俺の怯えた姿がO田くんを煽るらしく全然、力を緩めてくれないから俺はこの人の下から逃げることすらできない。

 

「なーんでぇ?A葉とかとはやってるじゃん?」

 

「あれは・・・!グループのメンバーとしての関係とかもあるわけで」

 

「へぇ・・・俺との関係は?」

 

「つか、先輩・・・揶揄うのもいい加減にして!おもちゃにしてるでしょ、俺と潤を!!」

 

「あ、バレてる?」

 

「バレバレですよ・・・潤は単純だから気がついていないみたいだけど」

 

「けど、翔の柔道着姿マジで可愛かったし?」

 

「いい加減にしないと・・・泣きますよ?俺!」

 

発言内容が甚だ情けないのは分かっているけれど、若い頃からの先輩後輩関係が染みついていて、俺からの抵抗はこれが精一杯。

 

O田くんが潤に背中を向ける形で固め技をかけられているから、潤から俺たちの顔は見えていないはず。

 

でも、俺の動きに関しては野生的というか鬼太郎の妖怪アンテナレベルの感度を発揮する潤は、

 

「O田くん?!俺のしょおくんに変なことしたら許さないんだからね?!」

 

と、O田くんの背後から叫んでいて、もう俺は四面楚歌状態に陥っていた。

 

自分は耳をカプッと噛ませたくせに、この白兎め。

 

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ごめん、ちょっと喉が痛くて。ここまで痛いのは久しぶりで(とりあえず奴は陰性)、もしかしたら後編のUPが遅くなるかもです・・・。