妄想小説です。BLの意味が分からない&不快に感じる方はブラウザバックでお願いします。

 

 

 

それから数日後、俺としょおくん、O田さんでリモート環境下で打ち合わせを行った。

 

O田さんは写真通りのイケメンで、隣に座るしょおくんがあからさまにイライラしているのを感じて慌てて肘で突くと、

 

「・・・分かってるってば」

 

しょおくんが不貞腐れたみたいな態度で返事をする。

 

雅紀のマンションで散々、反省していたはずなのに今回ばかりは感情には逆らえないみたいで。

 

・・・それだけ俺のことを好きだってことなんだと思うんだけど(照)。

 

俺たちは画面越しに今回のコンセプトなんかを確認しようと思ったんだけど、

 

「細かい部分は決めずに、当日の空気に合わせたいんだ」

 

なんてアバウトでアーティストっぽい返答が返ってきた。

 

服装もTシャツ姿でラフだけど、全体的に野性的な雰囲気を纏った姿はちょっと肉食動物っぽく感じる。

 

・・・これがしょおくんを刺激しているのかも。

 

しょおくん、本能的にO田さんのワイルドな感じ取ったのかもしれない。

 

結局、大した打ち合わせもないままに撮影当日を迎えることになりそう。

 

こんな感じの闇鍋みたいな撮影って初めてで、今までは撮影の目的に合わせて仕事をして来たから、ある意味でフリースタイル的な撮影に俺はほんの少しだけ不安感を感じていて。

 

でも、プロなんだから不安感を悟られるわけにはいかない。

 

「潤・・・俺が護ってやるからな」

 

なんてしょおくんは明後日の方向に変な使命感を燃やしているし、O田さんのキャラは掴めないままだし、もう本当に色々な方向に不安しかない。

 

どうか変な事件なんて起きませんように・・・。

 

*****

 

そして迎えた撮影当日、O田さん指定の都内にあるスタジオに到着する。

 

着いてみて、そこが多様なセットがあるわけではない、スクリーンと小さなカフェスペースのような撮影スポットしかないことを知って背筋がピンと伸びる気がした。

 

つまり、環境での誤魔化しが効かない・・・自分の表現力に頼るしかないってこと。

 

スクリーンだけの撮影だってたくさん経験があるけれど、今回は事前に何の指示もないから文字どおりゼロから作り上げなくちゃダメなわけで。

 

衣装に関しては数種類準備されていて、とりあえずはどれをとは着るのかは自分で選んでいいみたいで俺はその中から1着選んだ。