妄想小説です。ご注意ください。BLの意味が分からない方はブラウザバックでお願いします。





ビュッフェ形式の会場内、翔さんは裏方を、俺は表で来賓の方々のお相手をこなす。


各々の任務を忠実にこなし、漸く落ち着けたのは会が始まって1時間半くらい経過した頃だった。


東山先輩に呼ばれた俺と翔さんは、そこからの時間を自由に過ごす許可をもらった。


俺は車で来ていることを理由に酒は遠慮しウーロン茶、翔さんにはビールをオーダー。


翔さんに料理のピックアップを任せ・・・俺は翔さんのビールに粉末状にした薬をこっそり仕込んだ。


うん、最低な行為だって十二分に理解してるし、医師としてのモラル的に・・・いや、人間として最低な行為をしたって分かってる。


けどさ、もうこの膠着状態を打破するには強硬手段に出ることくらいしか策はない。


ああ・・・大丈夫だよ?ビールに入れたのは超短時間型と短時間型の睡眠導入剤2種類を、オーバードーズにならないように調整した奴だから。


ほら、あんまり早く目覚められても困るからさ・・・。


料理を手に戻って来た翔さんは緊張感から解き放たれた安心感からか、ビールを一気に煽ってクスリも完全に飲み干して・・・程なくしてテーブルに突っ伏した。


・・・ごめんね、翔さん。


「東山先輩・・・櫻井さんが潰れました。連れて帰っても大丈夫ですか?」


「ん・・・ああ、10分待てるか?お前、最後に一言挨拶しろ」


そう言われ、潰れた翔さんに代わって司会を務めてくれた東山先輩に促され壇上に上がり、お礼と指導を乞う旨の言葉で挨拶を締めくくった。