妄想小説です。ご注意ください。BLの意味が分からない方はブラウザバックでお願いします。

 

 

 

 

俺が洗ってあげたくて背後をとったら全力で拒否られて、あんまり早い段階から無理強いはダメだと思ったから翔くんの意思を尊重した。

 

「・・・反省してるんだから、あんま虐めるんじゃねーよ・・・」

 

「・・・俺、こっちに戻ってこようかな」

 

バスタブの淵に顎を乗せて、

 

「・・・え、マジで?」

 

俺がそう言うと、翔くんが嬉しそうな表情をして振り返った。

 

「だって、俺がここに帰れなかったのって、翔くんを襲っちゃいそうで怖かっただけだし・・・こうなった以上、俺が1人暮らしをする意味ないんだよ」

 

「・・・悪かったな・・・誤解させて」

 

「お互い様じゃん・・・どっちかだけでも気持ちを伝えてればここまで拗れなかったんだろうけど・・・2人してそれができなかったんだから同罪」

 

「・・・確かに」

 

「それに、俺がいないと翔くん、病気になっちゃいそうでしょ?家の管理のこともあるし・・・俺、戻ってきてもいい?」

 

「・・・当たり前じゃん・・・バカ」

 

言いながら前を向いた翔くんの肌がほんのり赤かったのは、多分、お湯のせいだけじゃない・・・よね?

 

それから暫くは、特に変化のない生活が続いた。

 

いや、少しは変わったのかな?

 

俺と翔くんは甘々なバカップルだという自覚がある・・・これまでの時間を取り戻すかのように、暇さえあればイチャイチャしていた。

 

「・・・何してんの?」

 

背後から腰の辺りに両腕を回して抱き締めると、身体を竦ませて翔くんの耳が真っ赤に染まる。

 

「リンゴの皮剥き・・・果物とか野菜の皮むきくらいはできるようになりたいし」

 

「あー・・・もう、危なっかしいなぁ・・・今度、一緒にピーラー買いに行こうか?」

 

翔くんの右肩に顎を乗せて手元を覗きこむと、左手にリンゴ・右手にナイフを持って悪戦苦闘している。