妄想小説です。ご注意ください。BLの意味が分からない方はブラウザバックでお願いします。
幸いにも俺たちが通うのは小中一貫校、俺と母が翔くん家族のマンションに住む形となった結果、転校せざるを得ない形にはなったけれど。
その代り、朝は毎日、翔くんと登校することができた。
翔くんは毎日、手を繋いで俺の歩幅に合わせてゆっくり歩いてくれた・・・翔くんの大きな手は温かくて、そしてとても優しかった。
翔くんは思春期、俺は第一反抗期という厄介な年代の組み合わせであったことに間違いはない。
男2人、そんなに簡単に打ち解けることなんて無理かもしれないと両親ともに思っていたみたい。
けれど、それは杞憂だった。
無条件で翔くんを慕う俺と、無条件で俺を甘やかしてくれる翔くんとの組み合わせは、ある意味では最強のカードだったのかも知れない。
「・・・翔にぃ」
毎晩、就寝時間になると枕を抱えて翔くんの部屋の扉を開ける俺・・・翔くんのことが大好きだから、一緒に寝たかったんだ。
「え・・・今日も一緒に寝たいの?」
翔くんの部屋着は、寒い時期はグレーのスウェットの上下、暑い時は上がTシャツへと変わった。
机に向かって勉強をしていた翔くんが、座っていた椅子をクルリと反転させて俺の方向へと身体を向けると、
「・・・来週、テストなんだけどな」
そう言うと少し呆れたような、困ったような顔をした。
翔くんは成績は常に学年トップだけど、それは普段からの努力の賜物であることを俺は知っていた。
それを邪魔しちゃダメだと分かってはいても、どうしても一緒にくっついていたいという希望に負けてしまう。
・・・だって、俺はガキだったから。
「ホラ、おいで」
そう言って、翔くんは勉強の手を止めてベッドに移動すると、シーツを捲って俺を招き入れてくれた。