妄想小説です。ご注意ください。BLの意味が分からない方はブラウザバックでお願いします。
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身寄りのない子・ワケアリな子を集めて・・・そしてそれは男女の性差は関係なく。
ある程度の年頃になったら、売春をさせるために売り払う。
価格は顔立ちや肌質なんかでランクが決まっていて、幸か不幸かボクは【上位】にランクされていたから、待遇的には悪くなかったと思う。
ボクの身体は商品だから傷なんかつかないように虐待なんてされたこともないし、食事も今考えてみればきちんと計算されたバランスのいいやつ。
けれど評価が低い仲間たちの中には酷い扱いを受けているケースもあった。
けれど、ここでの待遇がどんなものであれ、行きつく先は娼館。
堕ちる先には大差なかった。
学なんて必要ない、大切なのは外見と床の技術のみ。
そんな狭い世界しか知らないはずのボクが、どうして色々な情報を知っているのだと思う?
その理由は・・・ウチの娼館のボスは少し変わった思考を持っていたとしか。
曰く、大昔の日本の【遊郭】には外見だけではなく、様々な面で秀でている女性を【花魁】とか【太夫】という特別な存在に育て上げていたんだって。
彼女たちは正しく【金のなる木】で単価が高く、場合によっては【身請け】といって相当額の金銭と引き換えにその身を相手に渡すこともあったそう。
【身請け】は恋愛感情が絡んだものであったとしても、結局はその身は金銭授受の元でしか動かすことができないという点では人身売買だよね。
でも・・・ボクにとっては、そんなことはどうでもいいことだった。
生まれた直後に捨てられるか売られるかして、僕が闇の世界に堕ちたことだけが現実だった。
ボスは客層のメインが日本人であることから、日本語や日本のコトなんかを色々と教えてくれた。
・・・ボクたちの界隈では識字が可能な奴なんてほぼゼロに等しいはず。
ボスが変わり者だったことと、ボクを少しでも高く売りたいたいがゆえの教育だったんだと思う。
けれど店主の期待に見合う客は現れることはなく、今、ボクはこの場所で闇オークションにかけられている・。
勉強した意味・・・ないじゃん。
ボクの価値は、ここにいる客の一声で決まるってこと・・・その命は風前の灯火・・・って感じなのかな。
そしてスタート価格が1000万円、これは決して安くはないみたいで。
暗い客席は、光が眩しいボクの方からは良く見えないけれど。
オークションマスターの声だけが響く空間で己を包んだ光の眩しさに顔を顰めつつ、ボクは自虐的に心の中で笑った。
・・・変なの。