アラシック妄想小説-Αニッキー
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Love Rainbow 6

離陸のアナウンスが流れる。


この瞬間が苦手な私はぎゅっと目を瞑る。。。



私の乗り物酔いはひどい。

回転寿司の回っているお皿を見てるだけでも具合が悪くなってしまうという、恐ろしいレベルなんだ。。。





今は酔い止めが飲めないから、こらえるしかない。


堅く堅く目を瞑る私の瞼の上に、そっと柔らかい手が、私の瞼を包む。


顔を動かしてにのの顔を見ようと、顔を動かそうとすると

『ダメ、じっとしてな。もう少し』



と言って、私が動くことをにのは許さなかった。





―耳がいたい―

いつもの気圧の変化に目がまわる。


でも、今日はにのが手を当ててくれてる。



そのお陰か、そんなにつらくならなかった。





「もう、大丈夫だよ?ありがとう」



私が呟く。


『どーいたしまして。おやすみ~』



あっさりと、にのは言い私の膝の上のブランケットをばさりと広げ、私と自分にかけて目を閉じてしまった




けど、毛布の下ではずっと私の手を握ってくれてた。

にのの手は、あったかくて。



そんな優しさに、私もほっとして目を閉じた…………。



…☆☆…☆☆…☆☆…☆☆…☆…

Love Rainbow 5

私は、恐る恐るニノを見た。


ニノは下を向いてゲームの電源を入れてる。




よかった、みられてないみたい。



私はほっと息をつくと



―くっくっくっと口元に手をあててニノが笑いをこらえてる…。


私は恥ずかしくて、顔を真っ赤にしてそっぽを向く。



『あなたねー、俺のファンならさ、もっとテンション上がるんじゃないんですか?フツー』


「テンション上がって騒がれたら困るでしょ?」



仏頂面で私はいう。



ほんとは、こうしてニノと話すのでさえも、ドキドキが止まらない…。

もっと、かわいい態度とれればいいのに、私はどうしていいかわからなくて、仏頂面…。




『そんなとこまで人に気ぃ使ってんの?気ぃ使わないで人といれんの?』


呆れたようにニノがこっちを見て、思わずまた目をそらす私。



『わかりやすっ』



少し乱暴な言葉だけど、その言葉ひとつひとつに、優しさを感じる。


ニノがクスクス笑ってる。




あり得ないくらい、きれいで優しい笑顔で、少し茶色がかった潤んだ瞳。



私の胸が、ぎゅーってなる。



アイドルとして大好きなニノが、今隣にいる。


でも、隣にいるのは、アイドルのニノではなくて、出逢ったばかりなのに、ふっと人の懐に入ってきて、まるで昔から知ってるような、そんな不思議な感覚に陥った。




『さて、行きますか、そろそろフライト』


ニノが立ち上がり私に手を差し出す。



白くて小さくて、ハンバーグみたいな手。



私は、その手に、そっと自分の手を重ねた。



この日、あなたと出会い、あなたの運命を狂わすこととは知らずに…。




☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…

Love Rainbow 4

ニノは私が手にしていたお土産を『払ってきてあげる』と言って、レジへ向かう。


トコトコと私に背を向け歩く姿は、アイドルのオーラなんてなくて、まるでその空気の一部みたいに馴染んじゃうんだ。



誰もニノのことを気に止めたりしない。


私も、あんな風に周りとまじつて消えてしまってら、楽なのに。


ふと、そんなことを考えた。


『はい、お釣り』

ぼんやりしている私の前に急にニノが現れる。


「あ、ありがとう」


(また、変なこと考えちゃった)



『どこまでいくの~?』

「あ、札幌」

『大変だね?体、きつくないの?あなた。青い顔してさ?』

「仕方ないよ。サラリーマンだもん」

『ふーん。俺もね、今日札幌なんですよね?』

私が驚いて丸い目をしているとニノは首をかしげて柔らかく、笑う。

『だから、あなたのこともう少し手伝ってあげれますからね』




ニノから差しのべてくれた手に、私の心はぐらぐらと傾いた。


結局、スーツケースを預けるのも全部ニノがしてくれて、私はボーッと座っているだけだった。


いつの間にかニノが隣に座っている。


『はい、チケット。座席代わりましたからね?俺のとなりね』


「え??」



『さっき、ばあちゃん助けてくれたご褒美』


ニノは足を組んでその上に肘をのせ、頬杖つきながら私を見る。


『誰も助けてくんなくて、あのばあちゃん困っててさ、そこにあなたが来たの。お腹に赤ちゃんいるんでしょ?

自分だって大変なのに。


だから、優しいあなたにご褒美させて?』

私はなんとなく居心地が悪くて目をそらす。


「あれはさ、職業病だよ。


看護師してるから、ああいう困ってる人、気になるの。

ただ、それだけ」


『すげ~じゃん。

フツーにできるのってすごくね?』


(そんなことない)


白衣の天使と呼ばれることが一番嫌い。

仕事だからやってるんだしと、ひねくれた私はそんな風に思ってしまう。


話題をそらしたくて、何気なく携帯ん開く。



(まずい!!)



携帯の待ち受けにはにっこりアイドルスマイルのニノ。


見、見られたかな?


見られてたらすごい恥ずかしいと思って恐る恐るニノを見た。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

Love Rainbow 3

『大丈夫??』


ふわりと風をまとって、そっと私を支えてくれるギャップをかぶった、小柄な男の人。




「ごめんなさい、大丈夫・・・」



私はそう言い、支えてくれたその手をたよりに体をたてなおそうとした。




けど、足元はまるで沼地に居るみたいにぐにゃぐにゃしていて、一人で立てない。




『無理しちゃだめですよ?』




彼はそう言いながら私の手を引きベンチまで連れていってくれた。






(頭が、ガンガンする…)


目を開けることができなくって、手で顔を覆う。



そしたら、ピタッと冷たい、感触。


「…冷たい」



そうっと薄目を開けたら、私のおでこにペットボトルをくっつけていてくれる彼がみえる。



キャップを目深にかぶりマスクをしてるけれど、隙間からみえる透き通った瞳。




ひとりで生きていくことを決めた私の、唯一の楽しみ、それはアイドルグループ嵐を見て元気をもらうことだった。



透き通った瞳、見間違う筈がない。


「ニノ?」



『当たりですね』



無表情のまま、ニノがいう。


こちらから、目をそらさないで、真っ直ぐな瞳。


私は、ニノの瞳が好き。


ずっと、その瞳を見てたい衝動に駆られたけど、私はふと我に返る。。。


「……あ、助けてくれてありがとうご、ございます」


たどたどしいお礼の言葉にニノは口元に手をあててクスクスと笑いだす。



(え??何?私何か変なこと言った??)


私はその理由が分からす、怪訝な顔をしてしまう。



『俺って分かっておいて、一言目がお礼って…ウケる』


「え??だって助けてもらったし」


『うん』


ニノは首をかしげて、私を見る。




『こちらこそ、おば―さん助けてくれてありがと。
ああいうとき、俺は何にもしてやれねーから、』




私は、ニノの瞳から
目がはなせなくなっていた。



これから先、もう二度と出会うことのない、優しい瞳に。






Love Rainbow2

空港から、外を見渡す。


余裕をもって動いたからかなり時間には余裕がある。



(出張だし、お土産買わないと)


そう思った私は大きなターミナルにある売店を巡った。


一通りめぼしいものを持ち、レジへ向かう。



―チャリーン!!

とけたたましく小銭をばらまく音。。。



私を含め周りが一斉に音の出た方を振り替える。

そこには小柄なおばあさんがたくさんの荷物を抱え困ったように床へ座ろうとしていた。


周りの人はみんな見て見ない振りをしてる。


本当は、私だって親切は苦手。

でも、困ってるし、おばあさんがしゃがみこんで怪我でもするんじゃないかと、気が気じゃなかった。



私は、スーツケースとお土産、そして大きめのお腹を抱えて、おばあさんの足元にしゃがみこみ小銭を拾いはじめた。


しきりにおばあさんがお礼をいってる。


途中、売店の店員さんも手伝ってくれた。


「もうないかな??」と言って、床に顔を近づけた。


「もうないみたいですね」店員さんも立ち去りおばあさんは繰り返し頭を下げて、レジへ向かっていった。

ほっと息をついて、立ち上がろうとする。


その途端―


目の前がチカチカする。


ー貧血だー

ずっと、しゃかんでいたから。。。

咄嗟に手元にあったスーツケースに掴まるけど、性能がいいキャスターは無情にもコロコロ音をたててわたしの重みで動いてしまう。


(あ、だめだ。危ない。。。)


血の気はどんどん引く。


指先が、冷たい。


ーその時。



『大丈夫??』


コロコロ動くスーツケースを足で止めて、手は私の肩を掴む小柄な男の人。






これは、運命だったの?


きれいな瞳をしたあなたと、初めて出逢ったあの日。









Love Rainbow1



ふと、空を見上げる。



でも、ビルの隙間の小さい空間からはなんにも見えなくて私は仕方なく前をみる。




片手には、ガラガラと音をたててアスファルトの上にタイヤを滑らせてるスーツケース。


もう片手は、庇うようにお腹にてを当てている。


少し大きくなった、お腹。


ため息をついて時計を見上げる。



「そろそろ行かなきゃ」と、一人で呟く。





私はもうずっとひとり。



これから先、この子を一人で守り抜く。



そう誓った。



あなたに会うまでは、その誓いは揺るがなかった。




あなたに会って、私はひとりでは生きていけなくなった。



あなたと出逢ったあの日から―