ちょうど去年の4月に、わたしが乳がんだと診断されて。
旦那ハンも、息子クンも、それ知ってもちろん動揺したけれど
それ以上に、誰よりも一番動揺していたのは、わたしの実家の母だった。
そりゃまぁ、そうだよね……
ふつうは、世の中の道理として、親の方が子供よりも先立つものだし。
「がん」って言ったら、いくら今は克服して元気になれる人がたくさんの時代だとしても
やっぱり、「がん」はガンだし。。
もしも、親より先に我が子の方が「がん」で命を落とす事になったら……
そう思ったら、やっぱりわたしも親の立場としては、酷く動揺して、混乱して、嘆き哀しむかも知れない。
そして、そういう親の心情が分かるからこそ
娘の立場としては、あえて自分の親の前では、乳がんなっても明るく前向きに、“全然平気!”って振る舞って来たし、今でもそうしてる。
でもほんとは、いつまた再発・転移するか…いづれ息子や家族を残したまま自分は消える事になるのか…なんて、一抹の不安が頭をよぎると、どうしようもなく胸が締め付けられそうになるんだけどね。。
いくら手術で悪い部分を取れても、すでに血液やリンパの流れに乗って、目に見えないガン細胞は全身に散らばってると言うし。
(生きてる間に再発・転移するのが早いか、他の病気や事故などで命を落とす方が早いかの違いだけ…)
だから、本当の意味での乳がんとの闘いは
手術を終えてからの、自分との闘いかも知れないな……。
……な~んて事を、つらつら思いながら
先日、「少しは、恩返しができたかな」を見た。
このドラマは、和也さん主演で2006年に放送された単発ドラマで、いわゆる「感動ドラマ三部作」の第1弾。
駒場東邦高校2年のときに「ユーイング肉腫」を発症し、2年足らずの闘病の末にこの世を去った男の子のノンフィクションで。

和也さん演じる「和憲(かずのり)」が、ユーイング肉腫でも家族に心配掛けまいと明るく振る舞う姿が、いじらしくて、健気で……

でも一人になると、どうしようもない不安や、やるせなさに戸惑う姿が
自分の実体験にフラッシュバックして、すごく胸を打つ……。

抗がん剤投与によって脱毛すると説明され、それならば先に丸刈りにしてしまおうと決意した「和憲」
そこで、役の為とは言え、撮影しながら本当に地毛を丸刈りにしている和也さんとか。

最初の抗がん剤が効いて肉腫も小さくなったからと、このまま和憲が治ったらやれ家族旅行だ!温泉だ!と明るく浮かれる家族を前に(和憲を元気づける為なんだけどね…)
逆に、ひとり孤独感に苛まれる和憲……

「僕はユーイング肉腫なんだ。」

「いつまた再発するかも知れない…」

そんな自分の不安を打ち消すように、何か必死に生きる目標を持とうと、闘病しながら東大受験を決意して

死に物狂いの勉強の末に、東大合格

その後にも、肝臓・脳・肺…と転移していって、抗がん剤も放射線治療ももう打つ手が無くなり……

せっかく合格した東大も、自宅で倒れてまた入院生活を余儀なくされ、結局1日しか通学出来ず
「何にも…楽しいことなんて、無いんだよ…」

余命1週間の宣告の時
役作りの為、体重を40キロ代にまで落として撮影に挑んだという和也さんの
痛々しいまでに迫真の姿……

そんな「和憲」が、最後に望んだのは、お母さんの手料理

もう自力では食べられないんだけど、母親が作ったラーメンの、スープをくちに含ませてもらって

「いちばん…美味しいのは…お母さんが作った(手料理)…」
もう話すこともままならず、息も絶え絶え、蚊の鳴くようなか細い声で、「和憲」が最後に母親へ伝えた言葉……
その夜、昏睡状態になったまま、この世を去った。

すごく重いドラマなんだけど
種類は違うとは言え、自分も同じく「がん」になったからこそ
和憲の気持ちとか、また、息子がガンに侵された母親の気持ちも分かるし
ほんと…胸が締め付けられるような作品だった……。
今の、役者としての和也さんも凄いと思うけれど
こういう昔のお芝居の、真摯に役と向き合っている姿は、より深く心に染みる……
なんか、思い付くまま書いて、結局何が言いたいか分からん長々ブログになりましたが
最後まで読んで下さった方は、どうもありがとうm(__)m
※「少しは、恩返しができたかな」は、レンタルDVD店にあると思います(^-^)/
興味を持たれた方は、良かったら是非に♪