Musc Ravageur Frederic Malle EDP 2000年
メインの香料目立つ順に
ムスク、バニラ、シナモン、クローブ、トンカビーン
年齢
20代後半から上は何歳でも
季節
秋冬向き
時間
夜向き
オフィス・学校不向き
こんな人にオススメ
・香水史上最もセクシーなムスクをお探しの男女
・夜用の香水をお探しの男女
・一生香水となる特別なムスクをお探しの方
既存のあなたを壊すほどの官能美
全ての人の眠る欲望を呼び覚ます香り
フレデリック・マルは全てにおいて、調香師ファーストの
香水の歴史を変えたブランド
それまで日陰の存在だった調香師
フレデリック・マルの香水ボトルには
作品名の次に大きな文字で本の作者のごとく
調香師の名前が刻まれています
マーケティングは一切度外視して
製作期限も香料のコストも無制限の調香師が本当に作りたいものを徹底的に追求して完成してもらうことを念頭にしています
なので、フレデリック・マルで香水を作るとなると
調香師の真の実力が試されるというわけです
今回はフレデリック・マルの1番人気
ムスクラバジュール
ラバジュールとは破壊の意味で
「破壊のムスク(身を焦すムスク)」という名が付けられています
淑女のあなたを壊すというメッセージが込められているのでしょう
それもそのはず
調香師のモーリス・ルーセルは
「私がこれまで調香してきた香りの中で、ムスクラバジュールは最も女性の官能性を呼び覚ます香りだと考えています」と語っているからです
さて、あなたを壊すほどのムスクとは…
トップノートはかなり中性的
男性的なラベンダーとシトラス勢のメンズ香水のようなオープニング
すでにクローブとシナモンのスパイスの香りが漂っています
ここからしばらくするとガラッと性別が変わり
フェミニンに移行します
アニマリックで重厚感のあるムスクにスイートなバニラ
それに相反するスパイシーなクローブとシナモンの共演です
スパイスがかなりしっかり香るミドルノートはかなりセクシー
これこそバニラムスクが最も官能的に輝く組み合わせなのでしょう
ラストに向けてどんどんとバニラやトンカビーンの甘みは増していき
甘いバニラムスクに対して苦味のシダーウッド、ガイアクウッドが深みを出して、最後まで重厚感のある香りでした
ラストノートの美しさたるや…この世のものとは思えぬほど
優しく柔らかく、かつ濃厚なムスクが肌に残ります
ラベンダーシトラスとスパイス→バニラムスクとスパイス→バニラムスクとウッディ
といった香りの変化でした
広告は
出典元 ピンタレスト
深層に眠る欲望に火がついたような
コンセプトに合わせたルックです
人がシルエットなのもいいですね
想像を掻き立てられます
この香りは著名人をも夢中にしているそうで
オバマ大統領
ジョージクルーニー
BIGBANG Gドラゴン
など錚々たる方々
ムスクラバジュールが発売された2000年は爽やか路線が流行の真っ只中
人々の認識もムスクは石鹸のようなクリーンなホワイトマスクへと変わっていった最中
「これこそが真のムスクだ」と石鹸系ムスクを一蹴するように
モーリス・ルーセルの反逆の精神から誕生したムスクラバジュール(破壊のムスク)
ムスク=石鹸系を「破壊」する
昔ながらの動物的(アニマリック)なムスクは
2000年以降の金字塔とも呼べる作品です