Tendre Poison Christian Dior EDP 1994年

調香師 Edouard Fiechier

メインアコード
・ホワイトフローラル
・フローラル
・チュベローズ
・ハニー
・スイート

持続力
★★★★☆ 長め

拡散力
★★★★☆ 強め

ノート
トップノート
アサフェティダ、マンダリンオレンジ、ベルガモット、ローズウッド

ミドルノート
ハニー、チューベローズ、オレンジブロッサム、フリージア、ローズ

ラストノート
サンダルウッド、ムスク、バニラ、ヘリオトロープ
メインの香料目立つ順に
チュベローズ、ハニー、オレンジブロッサム、フリージア、アサフェティダ

年齢
20代後半から50代くらいのイメージ

季節
オールシーズン

時間
昼夜問わず
オフィス・学校どちらかと言えば不向き

こんな人にオススメ
・チュベローズのまったり甘いフローラルが好き
・ハニー×フローラルの甘いフローラルが好き
・プワゾンラバー、プワゾンコレクターに

濃いフローラル!甘いフローラルならタンドゥルプワゾンにお任せ!びっくりする仕掛け(毒)があるのはさすがプワゾンシリーズです

「優しい毒」と名付けられた緑のボトルのプワゾン

濃厚で甘いチュベローズにハニーとなんの変哲も無いようですが
その香りの虜になってしまった人は数知れず、、

今なお香水マニア達の間では廃盤が惜まれる伝説の名香として語り継がれています

巷に甘いフローラルは無数にある中で、
なぜタンドゥルプワゾンがここまで人々の心を掴んで離さないのか

どんな秘密が隠されているのかは

謎の香料「アサフェティダ」にあります

アサフェティダはスパイスで別名
悪魔の糞と呼ばれています 

ご想像のとおり、硫黄臭がするという悪臭でございます


香水とは不思議なもので

語り継がれる名香には必ず不協和音となりうるであろう「悪臭」が密かに入っていたりします

・シャネルNo.5のシベット(糞尿のような悪臭)
・ゲラン シャリマーのシベット
・ミュグレー  エンジェルのパチュリ(墨汁のような臭い)
などなど

でもこの悪臭は調香師の魔法の配合によって香りに深みを与えたり、アクセントになったり

有るのと無いのでは大違いの、まさにクセになる香りに仕上げてくれるのです

このタンドゥルプワゾンはアサフェティダが調香された事により

通常のハニーフローラルではなく

忘れられない唯一無二の香りとなったのです



トップノートからいきなり不思議な香りがするのはアサフェティダでしょうか、普通のシトラスではありません

そこにチュベローズのまったりとした甘いフローラルが迫ってきています

ドライダウンするとハニー&チュベローズの甘いコンビと
フリージア&オレンジブロッサムの爽やかコンビのコントラストが際立ちます

ただの美しいフローラルではないのはここでもきっとアサフェティダのにおいが作用しているんでしょう

ラストはフローラルの残り香とムスキーな香りが肌に残ります

バニラやヘリオトロープの甘さは感じられません

ハニーとチュベローズメインの香りですが
一言で、「タンドゥルプワゾンの香りだった」と言いたい

そしてアサフェティダ、よく分からないけどタンドゥルプワゾンがタンドゥルプワゾンたる理由は君のおかげなんだろう

優しい毒=悪魔の糞を配合させるなんて

そしてみんなを虜にするなんて

これだから、昔のクリスチャン・ディオールの香水に夢中!!


広告も優しい毒っぷりがすごいんだ、、

個人的なイメージですが、これ、
年下の男をたぶらかしてるように見えるんだが笑


女性の方はそんな気はなくて
男性の方は結構真剣で

年上の女性に夢中なのでしょうか、切実さが現れた表情ですが、残念ながら軽くあしらわれているようです



この優しい毒は、20代の若い女性より

「そんな気がない」既婚者の35歳以上の女性に合うでしょう


タンドゥルプワゾンの甘いフローラルは

毒が含まれています

「そんな気」はなくても

誰かを虜にしてしまうのです