夢のつづき ㊤ | ニノ大好き!嵐の大宮ラブで始まりラブで終わる日々

ニノ大好き!嵐の大宮ラブで始まりラブで終わる日々

タイトル通り嵐の大宮が
大好き~♪

こんな可愛い生き物見たコトない!

画面の隅っこで垣間見られる2人の姿に心がほっこり癒され萌えます

優しくそして時には乱暴にリーダーに愛されてるニノが基本です。




こんばんは。
9月は色々と変化がありました。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



さっきから自分が思うほどには進んでない
ような気がする

急いで駐車場に車を停めて空港の中に入って
からだいぶ経つと思うけど

同じ景色ばっかりだし

上手に足が前に出ないし重いし

夢の中で走りたくても走れない時に
似ている

なんだよ、もう、それもこれもリーダーの
せいだ

早足で人の流れに逆らいながら2時間程前
の出来事を思い出す

今日は休みだったし特別出掛ける用事もない
から昼過ぎに起きてボーとしてたらラインが
入った

『いっかい帰る』

東京からは遠く離れた地にいる、滅多なこと
では自分から送って寄越さないリーダーから
だった

はい?いっかい帰る?いっかい、帰る……

……帰る?帰るって?

「待って待って待って」

『買えるって』

あ、違う、けど

『買えるって、きょう?』

変換もへったくれもない、小刻みに震える
指で打ち返す

なかなか既読にならない

電話しようか?でも……

『1時』

きた!なに、1時?1時になに?

続きを期待して暫く待ってもそれっきり
うんともすんとも返らない

「あー!もー!言葉が足りないっつの!
1時になに?1時に向こうを出るのか
こっちに着くのかハッキリ書け!」

イライライライライライラ……

はっ!そうだ!

出発だろうが到着だろうがそんなこと
どうでもいい

1時はもうとっくに過ぎてる

「迎えに……っ!」

バタバタと家を出て急ぎに急いだけど空港に
着いた時には3時になろうとしていた

息を切らせてなんとか到着口へと辿り着き
辺りを見渡す

以前は目立った変装用のマスク姿も今のこの
ご時世だ

遠目には誰もかれもがそれらしき人物に
うつる

あれか?と近付いては離れるのを2、3回
繰り返し一旦足を止めた

パッと見、体の線は似ていても掛ける重心
やら細かい仕草や癖やらが全然違う

柱の横のあれ?……は、女連れか

キョロキョロしてたら反対にオレの方を
ガン見してる女子集団と目が合い慌てて
その場から離れた

リーダーばっか気にして自分のことを
すっかり忘れてた

人があまり集中してない男子トイレ近くの
イスに腰掛けてスマホを見る

電話はおろかメールもラインもきてない

もしかしてえらい見当違いでもしたのか?

空港だと疑わなかったけど、もしかして
新幹線とか?いや、でもあそこからじゃ
飛行機でないと帰れないし……

今日じゃないとか?

それか1時が打ち間違えで勝手にオレが
早合点したとか?

頭ん中がグルグルする

なんとなく掛けるのを躊躇われた電話だけど
そんなことゆってる場合じゃない

プルルルル……プルルルル

呼び出し音だけが虚しく響く

「留守電しとけっての」

イスから立ち上がりあと5回コールしても
ダメなら切ろうとした5回を優に越え仕方
なく諦め電話を切り耳からスマホを離した
時だった

サンダルばきの剥き出しの踵をなにかが
ポンと当たった

「遅い」

振り向く前から心臓が波打った

「いつまで待たせんだよ」

ずっと、ずっと、聞きたかった

夢にまで見た、電話越しなんかじゃない
リーダーの本当の声

振り向くと目が合った

その瞬間、マスクの下で口が緩んで叫びたく
なる笑いを堪えた

なぜなら、その目に宿るのはあの日最後に
見た潤んだ悲しい色なんかではなく

不満たらたら怒りに満ち溢れていたから

リーダーが東京を発つと決心する前後の
何ヵ月オレは毎日が怖くて仕方なかった

なにを聞いても言っても上の空で笑うだけ

その笑いさえ作り物で

手を離したらどっかに飛んでいきそうで

「ニノ、おい」

感情の乏しいボソボソ起伏のない小声で
喋っていたリーダーは既にそこになく

「なあ、って!」

張り上げる声に安心する

「さっきからお前ニヤニヤニヤニヤ、なにが
おかしいんだ、ああ?」

こんなにも怒られるのが嬉しいなんて!

眉間の皺すら懐かしくリーダーの顔から
目が離せない

「いい加減……っ」

「ああ、ごめんごめん」

果たしてオレが謝る必要あるんかと脳裏を
横切る前に口に出た

「だいぶ待ったの」

「お前おっせーんだよ、ここ落ち着かねーし
あっちもどっちも人多いしよ」

空港だから、と心の中で呟く

「疲れたし、ねみーし、腹減った」

文句たらたら悪態つきまくる声は以前の
リーダーだ

「着いたら着いたでお前いねーし」

その心地よさに聞き惚れていたら

「おい」

キレ気味の強い口調に我に返った

「まだここにいる気ならオレひとりで帰る
からな」

「あ、ごめん」

そうだった、再会した嬉しさにここが公共
の場だということを忘れてた

それからオレもリーダーも一言も発せず
脇目も振らず駐車場へと急いだ

言いたいことや聞きたいことは
山ほどいっぱいある

でも今は


その腕に浮き出る血管に触れたい。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



続きます。

ありがとうございました。