「泣くなよ。ばか」



小さかったニノの手がアタシの頭を撫でてくれた



「ニノ?戻った?夢?」



「夢じゃないって」



カラダ中を触り、全ての感触を確かめると



紛れもなく、170センチのニノだった




「もう・・・小さくなんないで」




ニノのふっくらした指を1本ずつ確かめると、その手はニノの手で包まれた




「なんでもとに戻ったんだろうね?」





「わかんねぇけど、おまえの涙に浸かった途端に身長が伸びた」




そうなんだ・・・・



でもなんで小さくなったんだろ?




アタシの気持ちがニノに向かってなかったからか



女性とのことを疑ったりしたからなのか



その理由はわからない




でも、ニノが小さくなったことで、アタシはニノがどれだけスキかって



あらためて確認できた





ずっと小さいままでもニノはニノで



例え、えっちなことできなくても・・・




「しよっか・・・そのえっちなこと?」




「準備があるし・・・それに」




「それに?」




なんでもない。アタシの手の平に乗っていたニノは



アタシのカラダを簡単にもちあげた




ニノの肩に頭を乗せて、静かに目を閉じると




「煽るなよ。すぐしたくなんだろ」って



せわしいニノに




あふれる涙をぐっと我慢した




なんでって、アタシの涙がニノを濡らすと、



今度は巨人になっちゃうかもしれないから




ニノのカラダにすっぱり入り、シェードランプでできた天井の二人の影に



再び瞳を閉じて、ニノに意識を集中させた




等身大のニノがいまさらだけど、恥ずかしくてみれない




「その表情。逝ったろ?ったくしょうがねぇな」






おわり