また・・・鳴ってる・・しつこいなぁー



「出れば?松本くんだろ?」



ちょっ・・・





アタシの携帯を手に取り


押し付けてくる卓巳先生の



くしゃくしゃな笑顔とクチについたゼリーが同級生みたいで



仕方なく携帯を耳に当ててやった。




「聞くな!卓巳!!」



口に手を押し当て、ばかみたいに笑う卓巳先生の


白衣から出る男っぽい首をつまんだ



すごく熱いし、細い



松本とは全然違うの。ごつごつしてて、


しっとりしていて・・・・・





「もしもし・・・遅いよ。今ね。卓巳とえっち~~なことしてるとこなんだから



ジャマすんな・くそ松本!!」




そう卓巳先生の口元に携帯を近づけた



「なに?」



お遊びに乗ってきてくれないまじめな卓巳先生の



足の間をくるくる撫でてみると



「うっわー反応しちゃうだろっ」


だって。




「松本。そういうことだから・・・・・バイバイ」



電話口の松本は「そっか・・俺がわりぃんだもんな。」


って神妙な声をだしてきた



納得しないでよ!!




ざけんな。とか



そいつ電話口に出せ。とか



叱ってよ。



どうして平然としてるの?




ほんとにアタシのこと嫌いになったんだ




「ふふふっえーーーん」


悲しくなってせつなくなって



目の前にいる卓巳先生に助けをもとめて



抱きついてしまった。




「松本ーー。忘れそうだったじゃん。」




携帯を握りしめて、卓巳先生の腕の中で



松本への思いを叫びつづけると


卓巳先生はアタシの背中をずっと



さすってくれていた





「松本?お見舞いにこい!!」



「もぅ来てますけど。窓の下、見れる状態か?」



へっ?





「卓巳!抱っこしろ!」


仕方ない~このコは。そんな表情で、卓巳先生はひょいと


アタシをお姫様だっこしてくれた





高い。松本より下手っぴだけど


自分の視界が高くなったことで、



アタシは足をばたつかせて大はしゃぎしてしまった



「松本ーー抱っこしてもらってるよ」


「誰にだよ?」



つづく