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雪乃と食事を済ませて、ダラダラと過ごす。

ソファーに座る雪乃の膝枕でTVを観ていた。

昔観た超大ヒット映画で、展開は知っているのに、何となくドキドキして夢中になっていた。

そうしたら、雪乃が俺の髪を撫でながら

「圭介さん睫毛長いね鼻筋がシュッてしててカッコイイ」

と呟いた。

夢中になっていたはずの映画から簡単に気が逸れる。

下から雪乃の頰を両手で包んで引き寄せた。

近くまで来て、俺は呟く。

『雪乃朝、寂しかったの?』

メモにあった言葉

"圭介さんに会いたかった。"を思い出す。

「寂しかったよ。会いたかったんだ。圭介さんに」

『俺もだよ雪乃に会えなくて寂しかった。明日は休みだから前に話してた花瓶見に行こう』

雪乃はふわっと笑って、頷いた。

「嬉しい!久しぶりに出掛けるね」

『そうだね年末年始はまだ暫くバタついて悲惨かも』

「また燕さんと飲みに行ってもいい?」

『飲み過ぎんなよ、雪乃弱いくせに沢山飲むから』

「気をつけるよ。でも、嬉しいなぁこれであの花が買える」

雪乃は古い映画が流れるTV画面をぼんやり眺めながら呟いた。


花を飾る


雪乃が花を飾りたがる


それは

少しの整理か

少しの勇気か


庵司を


弔う気に


なったからなのかな





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