フローリングで目が覚めた。

裸だし、シーツ1枚だし、身体中がベタベタする。生々しいその感触と匂いに苦笑いした。


腕枕した状態で眠ってる相葉さんの鼻をつまんでみる。


『ぐっ…っニ…ノ』

「ふふ、おはよう」

相葉さんはすぐ俺を引き寄せて抱きしめた。

『おはよう』


「…相葉さん…このダンボール…片付けないとね…仕事も、探さないと…」


相葉さんは頭を掻きながらそれなんだけど…と続ける。

『翔さんの会社が経営してる支店でね、2人で働かないかって。』

「翔さんの?」

『うん。何から何まで世話になるのもどうかとは思ったんだよ?でもね、話、聞いてたら、潤くんが心配みたいでね…ニノとこれで関係を終わらせたくないって。俺もそれは大賛成なんだ。潤くんとはずっと仲良く居てほしい。2人にしか分からない事…乗り越えてきたんだもん…だからね、翔さん、ニノには目の届く場所に居て欲しいんだと思う。』


「相葉さんと働くの?」

『ヤダ?』


首をフルフルする。

『荷物、このまま送ろうと思う。』

「送る?」

『支店…大阪なんだ。』

「おお…さか?」

相葉さんは頷く。


『ニノ…怖い?』


不安に揺れる相葉さんの黒目がちな瞳。

首に腕を巻きつけて口付けた。


「怖くないよ。相葉さんが一緒なら大丈夫」


俺たちは


大丈夫。