この日の午前中は、私の携帯に知らない携帯番号から何度か着信が入っていました。
この頃、営業の電話が多く掛かってきていたので、知らない電話番号には出ない様にしていました。
お昼ごろ、包括センターから電話があり…
『午前中何度かお電話させて頂いたのですが…。
ご近所さんからご連絡があって、お母さまが昨日の夜と今日の朝、
ズボンを穿かれないで下着姿でお庭にいらっしゃるとの事で…。
午前中にご自宅に伺ったら、やっぱりご自宅の駐車場におられまして…。
「私の中に誰かがいる。何かが憑りついていて体の具合が悪いから病院に行きたい」
とおっしゃられています。ご本人に受診の意思があるうちがタイミングだと思うので、何時ごろ来られますか?』
下着姿で外に⁇ そして、まだお婆さん憑りついてる⁇
それってもう、私一人で対応出来る事なんだろうか…
もう悲しいを通り越して、思考停止…。
私 『夕方には…病院に連れて行きます』
包括さん 『どこの病院に連れていかれますか?』
私 『この間ご紹介して頂いた認知症疾患医療センターに…の方が良いですよね?』
包括さん 『そうですが、今日すぐに診てもらえるかどうか。予約制なので。私の方から病院に聞いてみましょうか?』
私 『ぜひぜひお願いします。』
数分後…
包括さん 『やはり急には診てもらえないとの事で…。かかりつけの病院にとりあえず行ってもらって、そこで紹介状を書いてもらってから、予約して認知症疾患医療センターという流れが通常なんですよね…』
私 『そうなんですね。でも、かかりつけの病院さんだと、また母の拒否が強くて連れて行けるか自信が無くて…行けても薬を貰えるかも分からないですよね…どうしよう…』
包括さん 『ダメもとで、もう一度頼んでみましょうか?』
私 『ぜひぜひお願いします‼今からすぐ行きますので!』
ドキドキの数分後…
包括さん 『診て下さるそうです‼出来るだけ早く来て下さいとの事です』
私 『良かったです‼本当に本当にありがとうございます。すぐ向かいます』
包括さん 『私も心配なので、病院にご一緒させて下さい』
神様ー
包括の担当者さんとはその後病院で待ち合わせする事になりました。
実家に向かう車の中、不安と恐怖と策略と思考停止を繰り返していました。
どの様に母を病院に連れて行くか⁇ 良い案なんて出るわけがありません。
遂に実家に着いて…
私 『お母さん、来たよー。具合が悪いんだって?』
母 『やだ、何で来たの?私は大丈夫なのに…』
玄関に脱ぎ捨てたズボンがありましたが、この時母は、他のズボンを穿いていました。包括の方やご近所の方が説得してくれたんだと思います(心から感謝)
私 『血圧がすごく高そうだから、一緒に病院に行こうよ』
母 『イヤよ‼イヤ‼具合が悪いんだから病院なんて行ってる場合じゃないの‼』
私 『具合が悪いから病院に行くんじゃない?』
母 『病院は絶対にイヤ‼』
なるほど‼これはもう、騙すしかない‼
私 『じゃあ、お祓いに行こうか?このままじゃ困るでしょ?有名なお寺があるから』
母 『え?そうなの?それなら行こうかしら』
私 『健康保険証が使えるかもしれないから、持って行ってくれる?』
母 『そうなの?分かった』
実家の駐車場で車に乗せる。まずは第一関門クリア
そして車の中で…
母 『どこでそんな有名なお寺を知ったの?』
私 『ネットで調べたんだよ』
母が両手で手話みたいな事をしているので
私 『何をしてるの?』
母 『しー‼中の人に何でも説明しないといけないみたいなの。』
手話を続ける母…
なにこれ…怖すぎる…
病院に着いて入り口でインターホンを押して…
お返事があるまでの時間すら恐怖で…
早く、早く‼
母が気付いて逃げちゃう…
無事に病院内に入った時には、全身の力が抜ける感覚でした
第二関門クリア
そして、母の検温…37.6度
まさか⁉
コロナの検査の結果、陰性
熱い中ずっと外にいたのと、春なのに毛糸の分厚いマフラーを巻いてたから…。
と、ここで包括の担当者さんが病院に来てくださいました。
これまでの経緯を知ってくれて、協力してくれた優しい顔なじみの担当者さんが来てくれて、本当に心強かったです。
と、長くなりすぎるので、続きはまた後日。
次回は、診察の様子から入院手続きまでを…。
続く‼
私の状態=不安と焦りと…パニック…
手話でお婆さんと話す母への対応=見守るのみ…
お庭にある材料だけで南天スワッグを…
今年はたくさん良いことがあります様に…