認知症の人の全国ソフトボール大会 第2回Dシリーズ開催(5) | 認知症を全国の医療・介護・福祉の関係者と考える消しゴムメモリーのブログ

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認知症・若年認知症にかかわる人たちとの交流を深める目的です。
まったく知らない方にも、一つの社会問題として知ってほしい。
全国の認知症の情報等を伝えていきたい

試合当日、球場の駐車場から見える日本一の富士山に圧倒されながら、球場に入ると、球場の素晴らしさに、当事者さん達は、テンションが上がり早速、グローブをもってキャッチボールをはじめました。バットをもつとすぐにフルスイングでのノックがはじまります。支援者達がバテバテになるほどの練習をし、プレイボールを待ちます(選手は40代~70代。特に70代の当事者さんが多かった)。試合開始前のホームラン競争では、バットにあたるか心配されていた方も、外野までの飛球を打つ等レベルの高いスイングをされていました。始球式では、始球式のボールを、西日本の選手が、見事にレフト前にヒットを打ってしまうプレーもでました。
 試合開始のプレーボールがアナウンスされ「1番○○」と呼び出されると、当事者のみなさんも戦闘モードへはいります。初回からの乱打戦。そんな中でも、支援者達は冷静に、ピッチャーにいつ投げるのかのタイミングを教え、プレーの指示をさりげなく送り、ボールに視点があうように調整していきます。当事者さんのできることには邪魔をせず、出来ない部分をさりげなくフォローする支援者達の姿は、若手職員や、キャラバンメイトの方に多くの気づきを与えてくれていました。試合はシーソーゲーム。ランナーが味方の打球をとってしまったり、レフトからの中継のボールをとった3塁手が、レフトにボールを矢のような返球でかえしてしまったり、見逃さないプレーもたくさんありました。時間の都合で最終回は6回になりました。当初は、交代を頻繁にしようといっていた当事者さん達も、最後までの出場を望み、家族さん達も出場し、チームの勝利と楽しいという感情を大切に闘い抜きました。結果は、16対17で東日本のサヨナラ勝ちでした。ランニングホームランを打った選手や6回を投げ抜いた選手は、太ももをおさえながら、「久しぶりやな。こんなにハッスルしたのは」「会社時代は野球をやっていたけど、ソフトボールは何十年ぶり。でも1回バットにあたったから、安心した」とみなさん笑顔で話をしてくれました。ご家族も「富士山の見える場所で、同じ時間を共有できてよかった」「会議室でない場所で、知らない人達とスポーツを通じて交流できてよかった」支援者は「当事者のみなさんが、こんなにソフトボールが出来るなんて・・・」という驚きや「スポーツだと、知らない当事者さん家族さんとすぐに壁がなく話が出来た。心の底から応援できた事が、日々の支援にもつながる」といっていました。