今回は漫画じゃなくて、ちょいお堅めの内容です。


でも抗セントロメア抗体陽性の方にはぜひ共有したい記事があったので、書かせていただきます!


こんな研究結果が最近発表されました。



抗セントロメア抗体は染色体分配異常を引き起こし、それが不妊原因とされているので、この記事はまさにそれを裏付けるもの。(牛だけどw)


個人的に注目したのは以下の点。

※私の理解が正しいかはわかりません!完全に素人の理解なので、参考に留めておいてください。


前核期から2細胞期の間に染色体分配異常を起した受精卵では胚盤胞期への発生率はわずか6%だった


→つまり、受精確認において「正常受精(2PN)」が確認できない場合、9割以上の確率で胚盤胞まで育たない。(が、6%の希望はある)


4頭の健康な子牛が生まれ、そのうち2頭は8細胞期までに染色体分配異常が認められた受精卵から生まれた。これは、受精後の分裂で染色体分配異常が起きた受精卵からも子が産まれたことになる。この結果から、染色体分配異常は胚盤胞期までの発生には影響するが、胚盤胞期以降の発生には必ずしも影響するわけではないことが示唆された


→つまり、抗セントロメア抗体による染色体分配異常が起きたとしても、胚盤胞まで育てば健康な子供が産まれる可能性はある。


まぁ、正常受精が重要であることも、胚盤胞まで育ちさえすれば、その後は抗セントロメア抗体陰性の人と子供が産める確率は変わらなくなるということも、すでに抗セントロメア界隈ではある程度知られていました。


今回の研究結果は、新しい発見というよりはこれまで臨床で「なんとなくこうじゃない?」と言われていたことが裏付けられた、という感じでしょうか。


異常受精に関しては、異常受精卵を即廃棄するクリニックもあれば、異常受精でもその後染色体の修正が行われて育つこともあるから、と廃棄せずに培養して移植するクリニックもあります。


この研究結果から考えると、94%の確率でダメになるから即廃棄という考え方もあるし、6%にのぞみをかけるという考え方もある。


ただし私が個人的に思うのは、異常受精の場合は胚盤胞になるかどうかを見極めてから移植すべきかも、ということです。


私のクリニックは異常受精でも廃棄せず培養しましたが、3日目の凍結時点ですでにダメになっていたので、私は異常受精の卵ちゃんを移植したことはありません。


仮に3日目で生きていた場合でも、5日目(もしくは6日目)胚盤胞になるかどうかを、特に異常受精の場合は見極めて、もしその時点で無事胚盤胞になっていれば移植する、という判断を私ならしたいな、とこの研究結果を見て思いました。


「健康な4頭の子牛のうち2頭は8細胞期までに染色体異常あり」という文章なので、どの時点で染色体異常が認められたのかわからないし、異常受精から胚盤胞に育ったものが子牛になったのかどうかはわからないですが…。


同研究により、ライブセルイメージングにより核や染色体を観察した受精卵から、健康な子牛を産ませることに成功。さらに、分裂初期の染色体分配異常は、胚盤胞期へ発生を妨げるが、それ以降の発生を必ずしも妨げるものではないことが示された。


このライブセルイメージングの技術は、抗セントロメア抗体陽性者には朗報ですね!!


私の勝手なイメージでは、タイムラプスの技術が取り入れられるようになって、受精卵の成長をより詳しく観察できるようになったように、ライブセルイメージングで染色体の観察ができるようになれば、そもそも生き残れない受精卵をやみくもに移植する必要がなくなるかもしれませんね!


牛じゃなくて、人間の実験台探してるなら、私、立候補したい笑


「自分が子供を持てるかもしれない」という思いもめっちゃありますが、もしそれが叶わなくても、抗セントロメア抗体陽性者がしっかりと裏付けのある不妊治療を受けられて、治療によって子供を持てるようになる未来が実現されるなら、喜んでその礎となります。


みんな、私の屍を越えていけーーー!!!笑