なんかじぃーーーん
と
きちゃった
おはなし
はじまり
はじまりぃーーー
♡♡♡♡♡
ある日のことでごじゃる
いっきに夏がやってきた
そんな午後のことでやす
あっし
とぼとぼ
ふぅふぅ
歩いて
いぬりよると
(訳:かえっていると)
おくさま:「おかあさん どんなん? さいきん お顔見んけぇ」
って
遠くから
お声をかけてくださるお方が
♡
見習い:「「はぁ 寝ちょくんがえぇ←はは」
ちゅぅ~て
ひとつもょぉ出んのですっちゃ」
って
あっし
おくさま:「そんなら おかあさんにお花持っていんで」
その方が丹精込めてつくられてるお花畑から
母の好きな色合いのお花をつぎつぎにつんでくださって
見習い:「ありがとうございます
母どんなにか喜びやす
父にお供えいたしやす」
あっし
汗ばむ陽気の中
母のためにと
お花をくださるその方のお気持ちにじわぁ~~~んっと
いたしやした
♡♡♡♡♡
父もにっこりわらってくれたように感じやした
それから
すこし経ったある日のことでごじゃる
あっしん家の
ねき
(訳:お近く)
に
ぴぃーーぽぉ
(訳:救急車)
が
止まったのでごじゃるょ
はぁ
どうされちゃったんじゃろぉか
だいじょうぶ
じゃろぉかと
親子は気をもむばかり
なんでも
そのお家の方のお話では
おばあちゃんが
はしごから
おちて尾骶骨をうったんだとか
数日前
あっし
ものすごく
ビックリ
けんど
あぶない
って
思ったあの光景がすぐに
のうりをよぎったんでごジャル...ぅぅ↓
そのおばあちゃん
なっなっなんと
高い木のてっぺん付近で
見事に
剪定を
なさっておいでじゃって
お元気じゃけんど
ありゃ
あまりにも
あぶないっちゃ
(心の声:見習いにんじゃのはしくれじゃぁあるけんど ぜったいにょぉせん)
(訳:あっし おくびょうものゆえ けっして真似などできやせぬ)
そんなことがありやして
あっしどもも
しんぱいしちょったんでごじゃるが
そんで
そんで
今日のことでごじゃる
♡♡♡♡♡
お花をくださったあのおくさまん家に
ただいまあっしん家で大流行ちゅう
の
(心の声:ぶち☆美味しいんよぉ)
県産小麦のパン屋さんのパン
を
お届けしようと買って帰って
見習いだけで
お届けしようか
と
も
思ったんでごジャルが
母も行くとゆうてくれるんで
がっちりガードし
えっちらよっちら
かたつむりくん歩きでお出かけしやした
おんまの親子じゃったあっしたち
いまは
かたつむり親子なんで
なかなか
そのお宅にゃ着きませぬ
けんど
はは
こういうときには
ぜったいに
弱音ははきませぬ
そのうち
小雨が
ふってきやした
いつものお散歩なら
はは:「しっこでる...」
とか
上手いこというて
ひきあげさせるんじゃけど
けっして
そんとぉ
いいませぬ
(はくしゅ)
(心の声:じゅるる)
(心の声:かさ 取りに帰ろうか)
(心の声:あめがひどぉなったらどねぇしよぉ)
(心の声:母さんさそわんにゃえかった)
すっかり弱気なあっし
けれど
母はゆっくりじゃけど
パンを届けるんじゃって
(一生♡懸命)
(心の声:お留守じゃったら...)
いつもじゃったら
さほどとゆぅもないその道
(訳:遠くもない)
は
かたつむり親子にとっては
えっちらよっちら
ただひたすら
親子一体
に
なって
かたつむりくん歩き
で
えっちらよっちら
ふぅーーー
やってきました
ぴぃーーーんぽぉーーーん
なかから
元気のよい
奥さまのお声がきこえてきます
(心の声:はぁ えかった おられた)
母の姿をみるなり
抱きついてこられ
ありがとう
ありがとう
と
なんなんだろう
あっしは
おもったのです
こんなにも
母のことを
気にかけてくださる方
が
いらっしゃるんだなぁ
ありがたいことじゃなぁ
ありえないことじゃな
って
母の手をひいてくれるひとがひとり増えたじょぉぃ
それから
母は
その方とあっしとに支えられながら
道を隔てたすぐお向かいの
その方のお花畑へ
そして
また
お花をつんで持たせてくださいました
持ちきれないほどの花束は
すんごく
いい香り
と
ともに
たくさん
の
優しさ
を
のせて
かたつむりくん親子
を
後押ししてくれました
♡♡♡♡♡
あっし
母をこかしたら
父に大叱られするとばかりに
がっちり
ガードして
いぬるみちすがら
途中
どういうわけか
母が振り返りました
♡♡♡♡
ぅ?ん?
あぶないっちゃ
ぅ?
なに?
あっしも振り返ると
なっ
なっ
なんと
その方が
あっしたちを見送ってくださっていらっしゃるでは
・
♡♡♡♡♡
・
・
♡♡♡♡♡
・
ぅわぁっ
あっしたち
かたつむりくん
なんですよ
それなのに
どんだけ
時間がかかるかしれん
あっしたち
の
こ
と
(心の声:こねぇーーぃにしてもろぉーーーて)
なんとか
十字路まできました
まさか
もういらっしゃらないだろうと
今度は
あっしが
ふりかえってみました
ら
なっ
なっ
☆なんということでしょう☆
振り返るたんびに
手をふってくださる
その方の
小さな姿が見えました
ちょっと
いけん
あっし
(心の声:...ぅぅぅ)
ぅれしすぎるん
♡♡♡♡♡
母はこういう時もいつもと変わらぬかたつむりぶり
さすがでごじゃる
そのうえ
あっしに
はは:「救急車がきたけぇ
はぁ
あの世にいったんじゃと思うちょっちゃったんかね」
じゃって
もう
漫才師かっ
母がおかしいこと言うて笑わすし
じゅるじゅるしちょるちゅぅのに
母は平常心
(心の声:☆立派じゃぁ☆)
あはは
ずいぶん
経った頃でごじゃる
あっしたち
よぉーーーぅやく
お家の前にたどり着き
やっとこさ よっこらせ
っと
向きを変え
横を向いたその時
その方に手を振る母が写りやした
なっ
なっ
なんと
最後の最後まで
見送って
見届けて
くださったちゅうこと?
そんなことってありうるん?
もう
母っちゃぁ
なんちゅう
しあわせものなん
あっしも
なんども
なんども
頭を下げて手を振って
お家にはいりやした
はは:「たまにゃ 出てみんにゃいけんね
まだ
あの世にゃいっちゃぁおらんちゅうて
歩いちょかんと」
だって
はぁ
可愛すぎっちゃ
(爆笑)
♡父もさぞやよろこんじょりやしょう♡