KAWASAKI Z750FX 1979
発売以来、最強・最速のマシンとして圧倒的な支持を受けていたZ2やZ750fourも、ライバルの筆頭ホンダCB750F(1979y.6) の反撃に、名実共にバランスのとれたモデルへと熟成化が図られていく。輸出モデルZ1000Mk-II
と共通のスタイリングでデビュ-した750FX は、Z2の血統を受け継いだシリ-ズきっての優等生モデルだった。足付き性の良いシ-ト形状、ニュ-トラルセレクタ-装備でセレクトの容易なシフトフィ-ル、フラッシャ-と車幅灯
兼用のハザ-ドランプ、雨の日でも効きの確かなメタルパッドの穴空きトリプルディスク等々、至れり就くせりの装備は安心感をもたらしていた。走行しての印象は、剛性感の向上したフロントに焦点が行き着く。タイトコ-ナ-での進入時のきっかけが容易になっている。倒し込みの軽快感と共に方向性が掴み易くなっている。但し、逆にハイスピ-ドでのコ-ナ-リングではフロントが逃げる感じもある。Z750Fourからの違いは、キャスタ-が64→64.5°に、トレ-ルが90→87mmにそれぞれ変更されて、直進性の向上と共に高速でのウォブル傾向も解消されている。最新のスペックを積み込んだCB750Fと較べれば、確かに荒々しさの残る印象だが、それでも一線級のパフォ-マンスは失われてはいない。始動時に、ニュ-トラルポジションでもクラッチを握らなければならない不便さは、取り合えず最期の印象に記して置く。
KAWASAKI Z750-B4 1979
ビッグツインの終焉を告げられた様な、750Bシリ-ズの最終モデル。企業が大きくなるに連れて、発展への一途な努力が図られる。技術革新だけが意義のあることとの信念を抱かされてしまう。ユ-ザ-としてもオ-トバイの本質を、時として失いかけてしまうことすらある。スピ-ドへの憧れが、一種独特の麻酔の効果の様に、脳の陶酔を呼び起こす感覚は、確かにオ-トバイならではのものでもある。しかし、思い通りに操る爽快感も知的感覚を心地よく刺激してくれる。Z750B には、そんな一体感を喜びと感じさせてくれるパワ-フィ-ルが与えられていた。