■本格的なオートバイの生産
補助エンジンで好調に販売実績を伸ばしていた鈴木式織機だったが、当然、次なる目標は完成車の生産へと移っていった。
パワーフリー号での苦い経験をもとに、本格的オートバイのエンジンには、法規上、より排気量が大きく設定できる4サイクルが導入されることになった。こうして、空冷4サイクルOHV型の90ccエンジンをプレス製チャンネルフレームに搭載した初の本格的オートバイが誕生した。「コレダ号CO型」と呼ばれたこの完成車は、国産初のスピードメーターを採用するなど、先進的なオートバイだ
った。また、4馬力を発生したエンジンには、当時としては珍しい自動進角装置付きフライホイール・マグネトーが装備され、低速域でも充分なフレキシビリティーを発揮していた。
このCO型はその後、再び道路交通法が改正されたのにともない誕生した原動機付き第二種に対応して、125ccにボアアップされた「コレダ号COX型」に発展した。