イカサマのはなし あるいは(ルールがもたらす自分の整理) | 古林一誠オフィシャルブログ「空想のジオグラフに John Smith は11人いる!」

古林一誠オフィシャルブログ「空想のジオグラフに John Smith は11人いる!」

劇団「お座敷コブラ」
俳優・奇術師
舞台についてや少し不思議な日常を書きます

世の中には良くも悪くも

「イカサマ」が溢れております

いか‐さま【如=何様】
[名・形動]いかにも本当らしく見せかけること。

また、そのさまや、そのもの。いんちき。

「—をやる」「—ばくち」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

 

悪いイカサマの筆頭は「詐欺」でしょうか

……

そういえば、詐欺師ばかりが出るお芝居がもうすぐです

[↓CM↓]

9/12~16

Creative Company Colors 番外公演
『約三十の嘘』

[↑CM↑]

 

詐欺の他には

ギャンブルでのすり替えや積み込み

スポーツのドーピングなんかは

悪いイカサマといえるかもしれません

 

では、良いイカサマなんてあるのかというと……

奇術や演劇や映画といった

エンターテインメントは良いイカサマと言えるのではないでしょうか

 

どちらもいかにも本当らしく見せかけています(=イカサマです)が

良い悪いの差はどこでつくのでしょう?

……

私は、区別する一つの要素は「ルール」であると考えます

 

明示的・暗黙的なルールに違反するか否か

そこがポイント

 

エンターテインメントは

「手品です」とか「この物語はフィクションです」と伝えて

金銭を「楽しさ(エンタメ)」の対価として受け取ることで

「人から金銭をだまし取ってはいけない」という明示的・暗黙的ルールを守っています。

 

奇術なのに、「エスパーです」と噓をついて

エスパー能力に対する金銭をとったらルール違反(=悪いイカサマ)になります

 

ちょっとここややこしいので補足しますが

「透視や予言といったエスパー能力に対しての対価」と

「エスパーですという嘘をエンタメとして楽しんだことへの対価」は

異なるという点にご注意ください

 

 

さて、ここで話をスポーツに移します

 

スポーツではドーピングは明確なルール違反となっています。

尿検査や血液検査で禁止薬物が検出されると、

試合の無効化や出場停止、罰金などの処罰を受けます。

 

では、

「ばれなかったドーピング」はイカサマなのでしょうか?

…………

………

……

私が好きな漫画「ジョジョの奇妙な冒険」では

こんなセリフが出てきます

ダニエル・J・ダービー「イカサマ?いいですか?イカサマを見抜けなかったのは見抜けない人間の敗北なのです わたしはね 賭けとは人間関係と同じ……だまし合いの関係と考えています 泣いた人間の敗北なのですよ」

承太郎「バレなきゃあイカサマじゃあねえんだぜ」

 

大好きな漫画ですが……私見を述べるならば

承太郎の発言は正確ではありません。

「バレなくてもイカサマはイカサマ」です

 

ただし、

「バレ(見抜け)なければ裁かれ(裁け)ない」

のだと私は考えています

 

勘違いされないように補足しますが

私は「バレなきゃ何やってもいい」と言っている訳ではありません

(後述)

 

ですので、先の質問である

「ばれなかったドーピング」はイカサマなのか?

という質問に対する私の回答は

「バレようがバレなかろうが、イカサマはイカサマ。」

です

 

ただ、

そのイカサマが裁かれるか否かは……ルールによって決まるのでしょう。

 

多くのスポーツでは禁止薬物が決められており、

それらが尿検査や血液検査などで検出された場合は処罰されます。

 

では、検出されなかった場合は?

……残念ながら、処罰できません。

 

当たり前といえば当たり前です。

 

薬物や物質を具体的に禁止せず

「本人の身体能力を向上させる物は禁止」

としてしまうと、

選手は、風邪をひいたときに風邪薬も飲めません。

肉はタンパク質豊富で筋肉を育てるので食べられません。

野菜も栄養となるので食べられません。

コーヒーも覚醒作用があるので飲めません。

牛乳も骨を育てるので食べられません。

 

薬物や物質を具体的に特定して

それらが検出された時しかスポーツのルールでは裁けないのです。

「禁止薬物を使いました」という自白や、

「禁止薬物を使っているところを見た」という証言があった場合は、

それらが証拠としてどれだけ採用されるかに左右されます。

これも、そのスポーツ団体の運営方針や規約といったルールによるでしょう。

 

じゃぁ、

バレずに悪いイカサマをしている人は、イカサマやり得なのか?

バレなきゃ何やってもいいのか?

というと、そんなことは無いんですよね。

 

スポーツ団体や運営団体は裁けなくても、

お客様やファンは「好み」や「倫理」や「価値観」といった

自分のルールで良し悪しを分けることができます。

 

「処罰されなかったけど、自分としては好きになれない」とか

「怪しく思えるからなんとなく応援できない」といった判断は

お客様やファンの自由だと思います。

 

ただし!

気を付けなければならないことがあります。

「好み」「倫理」「価値観」といった「自分ルール」だけでは

「処罰」はできないのです。

「気に食わないから罰金はらえ」とか

「好きじゃないから土下座しろ」とかは言えません。

なんらかの処分を必要とする際には、民法などの法律の力を借りましょう。

 

すみません

ダラダラと書いてしまいまして

何が言いたいのか

話がとっちらかってしまったので強引に話を戻しますと

 

自分が何かを目にしたり耳にした時

その良し悪しを判断することがありますが

その判断に、自分が何を用いたのか?

(既に決められたルールなのか?個人的な価値観なのか?≒論拠)

それを自覚せずに、ああだこうだと言ってしまうのは

気を付けなければいけないな。

 

と、最近考えました。という、

ただそれだけの話なのです(笑)。

 

なんでこんな話をダラダラ書いてしまったのかは……

明日のラジオで話せるかもしれません。(笑)

(話さないかもしれません笑)

 

毎日、豆乳。