フォロアーの99%が興味のないLINK ECUセッティングシリーズ。

でも、意外とヒット率いいみたい。


インジェクションの燃料供給するための負荷軸の設定には複数あります。
このブログを見るような若者向けにいうなら、
エアフロ(ホットワイヤータイプ)制御で空気の流入量を測って燃料の噴射時間を決めるような方式です。
※昔の人はSR20とかRB26にZ32のエアフロを流用したり、イマドキだとスバルやR35エアフロを流用したり。

エアフロ制御はLジェトロっていうようです。

単語の整理だと以下になるようです。

【Lジェトロ】
エアフロセンサによる吸気流量をパラメータとした制御。

【Dジェトロ】
吸気圧センサ(インマニ負圧センサ、MAP)による吸気圧をパラメータとした制御。

【α-Nジェトロ(=スロットル・スピード制御、スロットル・デンシティ制御、スロポジ制御)】
TPSアクセル開度による制御

基本この3つのどれかを負荷軸としてもう一つは回転軸を組み合わせて、燃料噴射量を決めます。


ウチのNINJAはLINK導入当初からMAPセンサーを使用したDジェトロで燃料マップを設定していました。
MAPセンサーが読み取る数値はNA(ノーマル・アスピレーション)なので負圧のマイナスから最大は0気圧になります。
ターボのブースト計と同じです。アクセル開度が少ないと0または0以下の負圧でエンジンが回っている状態。

これまで44パイのインジェクションボディだったせいかあまり問題なくセッティング出来ていましたが、
最近使っている38パイの小さいパイだと、少ない開度で0気圧またはほぼ0気圧になってしまいます。
アイドルで-27気圧ぐらいでアクセル開度50%ぐらいでほぼ0付近を計測している状況になってしまいました。

マップの粒度にも限度があり0の次は-3(細かく刻めるけど、他を荒くする必要ある。セルの数に上限があるので)
-3ぐらいまでいいのですがここを超えると濃い、薄い設定がシビアすぎて設定できません。


そこで負荷の設定をアクセル開度で制御する「α-Nジェトロ」に変更してみました。
ガレージでアイドルさせて低開度の燃調をみて、あとは適当な燃料マップを作成して、走ってみます。
数度ミクスチャーマップを使って燃調を合わせてみます。
・・・ちょっとそこら辺の道の信号待ちダッシュでワイドオープン!

 

!!!おお!なんか空燃比自体は大差ないけど、パワー感、ダイレクト感、回した時の高揚感がいい。

予想外にいい感じに走ります。

 

が、走っている時はいいのですが、アクセル開度0、アイドリングが安定しない、調整が難しい。
エンジン温、気温、吸気温度、気圧の外乱に追従できていないみたい。

【Dジェトロ】(MAP負圧センサー制御)
アイドリング、アクセル開度0の負圧領域も制御できるので、エンジンブレーキ中の燃調も
エンジンブレーキの強度で燃調を制御できる。
アクセルを開けた際のツキはドン付きとかは発生しない。が別にレスポンスが悪いわけではないではない。
アクセル高開度の設定は負圧少なくなると設定調整範囲が狭く、難しい。


【α-Nジェトロ】(TPSアクセル開度制御)
アイドル、アクセル開度0の燃調が単一しかできないので、細かい調整はできない。
アクセル開度による制御なので高開度の80、90、100%と開度単位で燃調を設定できる。


Dジェトロの良いところ、悪いところ、
α-Nジェトロの良いところ、悪いところがちょうど逆になっている。
なので、両方をつかった制御ができれば、低中開度と高開度の制御が両立できる、のでは?!

ということで、デュアル燃料テーブル機能を使います。
これまでもMAP1、MAP2を切り替えてつかっていました。
切り替えロジックは下道用と高速道路用を速度判定を使って切り替えていました。
が、思ったほど下道と高速はあまりマップに差がでないので、あまりデュアルマップの有用性はなさそう。

MAP1:負荷軸を負圧制御、MAP、Dジェトロにします
MAP2:負荷軸をTPS制御、α-Nジェトロにします。
・・・2種類の燃料マップを作る必要があります。

MAP1⇔MAP2の切り替えは負圧かアクセル開度でやるか迷いましたが、とりあえず、シンプルにアクセル開度20%でMAP2へ切り替えます。
アクセルOFF エンブレはMAP1を見るようになります。
Dジェトロ制御の方が細かく調整できるので、負圧が-3にならない程度でMAP2へ切り替わるように設定しました。
事実上MAP2は開度0を読みにいくことはないですが、MAP2単独でも走行できるレベルで設定してあります。
が、アクセル開度低開度の粒度は粗目にして高開度をメインに設定してあります。

デュアル燃料テーブル機能はどのタイミングで切り替える、切り戻す設定があります。
切り替えはそんなに乗り味に影響しないですが、
切り戻しのタイミングはちょっとシビアで、メリハリのあるアクセルのオフ・オン(エンブレ、シフトダウンの時のブリッピング)の際に切り替わる際にコンマ何秒か燃料が途切れるので、一瞬エンジン回転がスロットルに追従しない事がありました。
このあたりは乗りながら粗だしして、切り替えのタイミングを調整しています。


と、設定を変更している最中に調べたのですが、(Dジェトロとかα-Nとか知らんしね)

ホンダのビート(スクーターじゃなくて、車ののね)が同じ制御をやってるそうな。

 

 


 

ちょっと最近の記事でもヨシムラのGSXの記事でも同じような制御をしているような事を書いています。

 

 


思い付きでやってみたことですが、
結果論、以下とハズレなことはしていないようです。