大腸炎で入院中の「ギプス」を見舞う。
まだ腹痛が酷いので、鎮痛剤を点滴で入れてもらっていた。 [水分のみ可]と書かれた御札がベッド頭上に貼られていた。
おいおい、「ギプス」の顔が厳しいよ。
私の顔を見るなり「3回だよ、3回。皆が飯を食ってるの、俺だけ我慢!」
「食べられそうなの?」
「いや無理だけど、…もうどうなってもいいから、食っちゃいたいの」
そして鎮痛剤の点滴を指差し、これがいけないと言う。腹が痛ければさすがに食い気も失せる。だからこれは要らない。
解熱剤も要らない。頭が熱でぼんやりしている方が過ごしやすいと言う。
このようなヤツの話を聞いているのは不毛以外の何物でもない。
「要らないなら断れば」と言うと ああそうだとナースステーションへと消えた。そして水分補給の点滴だけぶら下げガラガラと帰って来た。
嫌な物を見るような目をしていたのだろうか。
「どうしたの?」と聞かれ「よく家に帰りたいと言わないなと、私は少し感動してね。」と答える私。
「ああ… それはまだ無理だもの。家だったら 寿司、ステーキ、寿司、ステーキって 永遠に食って死ぬからね」
貴様 … どこにそんなお金が …
まだ ウイルスや菌の確定が出来ない事と、大腸の炎症が強いから退院の見通しがたたない。
常食が食べられたら退院だそうな。
しかし、夜中に20回近くトイレに行ったというし実際には水も飲めない当人だ。
それにしても「ギプス」が入院している病院の看護師さん達、本当に優しい。他の患者さんに接しているのを見ても頭が下がる。
「ギプス」のような人は入院が大変なのだ。盲腸の手術をした時は個室に入り、ずっと私が付き添った。
「ギプス」の成長もあるだろうが、周りの方々の優しさが何よりありがたく感謝している。
帰宅すると銀ちゃんが 私の枕の上で毛玉を吐いていた。脱力