備忘録。
ちびマッチョです。
2012年の2月、演劇界の風雲児、
中津留章仁さんが主宰する
トラッシュマスターズの狂おしき怠惰を観に行った時のこと。
下北沢駅前劇場ってハコでやってたんだけどね、
席をとったのが遅かったから、一番後ろの席だったの。
っつっても小さいハコだから全然観にくいとかは無かったんだけどね。
開場が開演の30分前。僕と友達は30分前について、開演を待ってたんだけど、
そしたら開演の15分くらい前に、なんと僕らの真ん前の席に、
川島なお美さんご夫妻
が現れたんですわ。
変装とかもなんもしてなかったなー
普通に観客の1人として、特別招待席みたいなところじゃなく、
あくまで一般席で
(だって僕らの前だから、後ろから2列目だもんね。)で観劇をしていました。
それまで高飛車なイメージだったんだけど、そこでまず、凄く僕の中で印象が良くなった。
決して自分の地位をひけらかさず、純粋に芝居を楽しみに来ていらしたんだって思った。
すげー美人だし、
やっぱりワインの話ばっかりしてて、その辺りはテレビで見たまんま。笑
素もテレビも同じ人なんだなーって思ったなー。
で、その時のエピソードなんだけど、
開演が近づいてきて、どんどん他のお客さんも入ってきたんだけど、
川島なお美さんの列で席を探しているお兄さんがいたのね。
「○番…○番…」
ってささやきながら。
そしたらやおら川島なお美さんが、そのお兄さんに
「ここは○列目の○番ですよ」
って優しく教えてあげてたの。
僕は後ろでそれを見て、川島なお美さんが、
いかに庶民感覚を忘れていないか、
いかに親切で教養のある(人間性という意味でね)人間なのか、
思い知らされたんです。
なんて素敵な方なんだと思ったんです。
お兄さんが川島なお美さんに気づいていたかは定かではありませんが。笑
彼女の中では、我々も川島なお美さんも対等な人間だと思っていて、
いや、そもそもそんなこと考えたことすらないかも。それが当たり前なんでしょうね。
完全に川島なお美さんの虜になった瞬間でしたよ。
で、そのお兄さんの席なんだけど、
実は川島なお美さんが間違ってその席に座ってて、
「あっ!!」
って気づいて、自分の正しい席に座り直して照れくさそうにお兄さんに微笑みかけてました。笑
超可愛かったです。
そんな川島なお美さんが昨年亡くなってしまいました。
僕の川島なお美さんとの接点は、たったこれだけです。
それでもこれだけ僕の心は動かされました。
どれだけの人が彼女の訃報を悔やんだでしょうか。
ご冥福をお祈りいたします。
芸能人や、どっかの社長だって、
美術館や芝居などを観に行くときは一般人と同じなんですよ。
そりゃあ、あまりにも影響力がありすぎて、
その人が来てるってわかったらパニックになるようなときは、人がいない時間に案内してもらうとかの配慮は必要でしょうが、
「オレは○○だから、満席でも席を用意しろ」
とかって言う奴は本当に教養がないと思うんです。
どんなに社会的地位がある人であってもね。
何人か見たことありますけどね。
自分も、川島なお美さんみたいになりたいなって、改めて思ったことがあったので、
備忘録として書かせてもらいました。
ま、僕は決してえらくならないだろうけどね。
川島なお美さん、大好きです。