冬は朝、と清少納言が言っていました。

 新年を迎えた朝の、静かな騒々しさ。
 不思議です。
 テレビのお正月番組は、ほんとうに賑わしいのに、どうして家のリビングには静かに響いてしまうのでしょうか。

 朝が終わってしまえば、あのなんとなく寂しい気持ちは、どこかへ言ってしまうのですが。
 お正月、集まった親戚のおじさんたちが、酔っ払って楽しそうにしているのを見ると、安心します。なぜだか。
 
 枕草子の冒頭をはじめて読んだとき、冬は朝、だけ格別に感じました。

 あたらしい一年も、元気で過ごせますように。
 今年もいろんなことがありましたなぁ、と年末、漫才師が笑って言えますように。

 二〇一〇年も、どうぞよろしくお願い致します。




かすれた甘い声に
ジントニックの苦みが混じる

柔らかな癖のある
短く切られた黒い髪
白く薄い皮膚

ね、
と乞われて
うん、
と応える

カルピスサワーの
子供じみた香り

指先は熱く

足場を失うことの幸福




 ベランダに干された青色のセーターが、乱暴な風に揺れる。上空の、ハイスピードで流される雲。日は出たり隠れたりを繰り返す。晴れ、ときどき曇り。曇り、ときどき晴れ。窓際の木製の椅子は、温まり、また冷える。

 肌寒い、と、心細い、は、とても似ている、と。
 晴れと哀しみはそっくりだ、と。
 そう思った冬の午後。