ネタバレありますご注意ください

 

 

 

 

 

何者   朝井リョウ

 

 

まず、作者プロフィールを読んで、

同い年の作家さんだということに驚きました。

学年では一個下になるのですが、それでも同じ時期に生まれた人がこんな作品を書くのだと思ったら、

世の中には選ばれし人はいるんだなと感じました。

 

 

本作のあらすじは

就職活動に挑む若者たちが、それぞれの未来に向かって試行錯誤しながら自分を見つめ直していく。

一言でいってしまえばこういった話であります。

 

 

 

この本を読んでいて改めて思ったのですが、小説の終盤ってなんでこんなに面白いんですかね?

 

 

 

大概の作品を読む時、序盤で退屈さを感じてしまい、この本自分にあってないんだろうなと感じて

閉じてしまおうかなと考える時がくるんです。

でも我慢して読み進めていくと大概の作品が終盤に盛り返してくれるんですね。

だからどんな作品でも必ず最後まで読むようにするんです。

最後には絶対おもしろいものがあると信じて。

 

 

あとは小説を読む時、登場人物の初登場のシーンに、こいつ悪者になるんだろうなぁって固定概念で見てしまいます。

よっぽどの書かれ方をしていない限り大体そうです。

小説って活字しか無いからなのか、どこか暗い雰囲気というか閉鎖的な雰囲気を持っていて、

書かれている全てがバットエンドに持っていく要素を持っているように感じてしまうんです。

 

 

この小説で最初にそう感じたのは瑞月。

でもそれは完全に間違っていました、素晴らしい人だったじゃん瑞月。

なんの脈略もなくそう思って読み進めてしまう自分に反省します。

 

 

 

 

 

 

 

 

物語中盤では理香、隆良、ギンジ

この3人に対して少なからず寒いなと感じた人も多いのではないでしょうか。

 

 

私も勿論そう思いました。

 

 

しかしここまで寒い描かれ方をしていると、普通ここまで寒さを誇張しなよなと感じ、

作者は、単純にこの3人の寒い有様を笑い話にしようとしているのではないなと感じました。

それでは流石にあからさますぎる。

 

 

そこで感じたのは、主人公の客観的で冷静すぎる態度。

 

 

これも絶対にいつかブーメランが帰ってくると思って読んでいました。

一見常識なことを言っていて、分析力も優れる。言ってしまえば読者に一番近い思想を持っていたのがこの主人公なのかも知れません。

 

しかしそれ故に、どこか論理臭く相手の嫌な部分だけを見つけることに長けている。

それなのに自分を客観的に見る描写はない。

 

典型的なナルシスト野郎なんだなとも感じました。

作品のどっかでブーメランが帰ってくるぞと。

 

 

結果予想通りの結末となったのですが、それでも驚いたのが拓人の本性が明らかにされるシーン。

まさか理香によって、あそこまで完膚無きまでに言われるとは思っていませんでした。

 

 

まさかこのタイミングとは・・・

自分の悪事を思いもよらぬ場面で暴かれているような気分でしたが、やはりここが一番面白い。

 

 

はじめの方に言いましたが、序盤で退屈さを感じてしまう。

確かにこの本にもそれはありました。

就活という身近な題材のせいかもしれません。

 

 

それでもやはりプロは凄い、最後に全部持っていくじゃん。

 

 

そう思える一冊でした。