*母の記録*

 

2016年8月上旬

生禁だった息子にとって刺身は特に食べたかったんだと思います。

マルハ食堂のいけすの魚をさしみにしてもらったり、自分で料理することもよくありました。

オーブンで鶏の丸焼きを作ってみたり(これは私にはかなりしんどかった)

吐くこともなくなりよく食べられていましたが、食べても食べてもすぐにお腹が空き、食べているのに体重は減っていきポートを外した時45㎏だった体重はこの1か月で5㎏マイナスとなり40㎏になっていました。

痩せすぎていてお尻の骨があたり、座ると痛いので常に座布団を持ち歩いていました。

パンツもサイズが合わずこのころはサスペンダーをして履いていました。

情緒不安定でいらいらして、些細なことで突然怒ったり、泣き出したりすることもありました。

 

 

 

                       ※まるは食堂本店※

 

 


         ※食べるテラス※

 

 

                                             *僕の記憶*

 

 

まるで男子校を卒業した男が、大学に入った途端に女子と喋りまくるみたいに、

僕は病院で闘病している時から、ずっと今の暮らしを夢見てきた。

僕が夢見てきたのはたったひとつで、何かを食べるっていうこと。気が済むまで食べるっていうこと。

 

当たり前のことを奇跡みたいに感じることができると言う奇跡は、きっと僕は健常な暮らしをしていたら手に入れられなかったと思う。別に手に入れたかったわけではない。その奇跡を返して、代わりに、苦しんだ時間を消してくれって言うんだったら、全然差し出すんだけど。

 

飢餓感があった。

それはストーマを装着していることで、お腹がずっと空っぽになっているという、物理的な飢餓感と、

上記のような思いによって生じた、

精神的な飢餓感だったと思う。

 

まるは食堂。

ここはまじで夢の国だった。

まず生の魚が食える。

知っての通り僕はクソ長い間生禁止だったので、刺身ってものがもうほんとにね、宝に見えてた。

このまるは食堂ってのは、魚を一匹丸々さばいてくれるんだよね。いけすに入ってる魚をとってきて、刺身とそれ以外に分けてくれる。そしてこのそれ以外の部分を使ってあら汁を作ってもらうことができるんだな。

あまりにも最高すぎる。

 

活きた伊勢海老をいただいた。殻はあら汁にしていただいた。

こんなに素晴らしいことってない。

 

 

普通におすすめなので行ってみてください!!!

一緒に南知多ビーチランドに行くとよい◎