*母の記録*
2017年12月
一般入試に向けて週何回か塾に通いながら過ごしていました。
また先月の会議でステロイドを減らしてもいいだろうと決まり、プレドニンの内服が9㎎から8㎎へ減薬となりました。
1㎎ですがステロイドが減ったのは嬉しかったですね。
また息子がコンタクトにしたいと主治医に相談すると、細菌が入るのでやめた方がいいと言われましたが、
粘り強い息子はその後の眼科の受診でも医師に聞いていました。
一日だけとかポイント的に使うならよいだろうと許可が出ました。
白内障は半年前と同じで進行しておらず少しほっとしました。
12月上旬
以前、星のや富士の狩猟体験ツアーに参加した時は罠にかからなかったのですが
初めて罠にかかったのでおすそ分けということでツアーを主催している方から
鹿肉を送ってくださいました、鍋で美味しくいただきました。
*僕の記憶*
このごろ頻繁に開催されていたのは、鹿肉パーティーである。
無限に続く鹿肉の饗宴。
うーん顎が疲れる。
というのも体験ツアーで罠にかからなかったので、後からリゾートが切り分けた状態の鹿肉を郵送してくれた。
そんなわけで我が家の冷蔵庫には、真空パックされた鹿肉が大量に詰め込まれていた。
そしてこの鹿肉を食べる人間が、我が家には僕しかいなかった。父親は無駄にブルジョワ志向なので全然ジビエとかを食べようとしないし、母親もなんだかんだ遠慮するとか言って食べなかった。
まぁでも気持ちわかる。
鹿肉は、ずっと食べていたい肉、では無い。
なんというか、非常にパサパサして。
なのでバターをたっぷり使ってバターソテーにしたり、トロトロになる前に煮込んだりすると、食べやすい。
いやいやいや……
そんなずっと食べるもんとちゃうやろ鹿肉……
***
家(実家)という空間は、病院の病室と同じ「部屋」であるけれど、
当然、自動的に室温が一定に保たれるようなことはなく、
部屋ごとに寒暖差が存在する。
寒くなってきた。
それがずっと家の中にいても、わかるのだ。
そういう感覚がとても懐かしかった。
病院は基本的にどこにいても外気が入り込まないし、温度も一定。
だけどこの家は違う。
季節が、窓の隙間から入り込んでくる。
少し冷えたリビングで厚着して、問題集を解く。
5年間凍り付いていた時間が溶けて動き出して、まるでタイムスリップしたみたいに、僕はまた受験に向かおうとしている。