*母の記録*
2017年3月
3月2日 22歳になりました。
病気になって初めて自宅で迎える誕生日
そして食事を摂れる誕生日
大好きなしゃぶしゃぶでお祝いした後、ケーキを食べました。
このころになると息子の精神状態もよくなってきていて、まだ人工肛門の生活ですが
食べれるようになってきて本当に嬉しかった。
某しゃぶしゃぶ屋にて
3月上旬三重大で次の入院のため検査をしました。
委縮している様子もなく太くなってきているのではないかと入院の手続きをして
帰りました。
優しいO先生はアメリカへ行かれるそうで今日が最後の診察でした。
*僕の記憶*
ドクターフーのグッズのジェンガ。本当に可愛い。
19歳の誕生日を病院で迎えてから、
僕にとって誕生日というのは
別に
祝うべきものじゃなかった
正直に言ってそんなにうれしくなかったんだ
周りの人たちが喜んで欲しいという顔するから、僕もそういう顔をする
それはなんていうか、
一種の出来レースみたいなもので、
これからも継続的に僕のことを支援してくださいという願いを込めた、
多分、感情の取引のようなものだった
どうだろう
そういうひねくれた感性は
今はあんまり変わってないかもしれない
自分の誕生日ってさ
みんなどう。うれしいの?
でも、
この22歳の誕生日だけは、
うれしかったという記憶が僕にもある。
それは、単純に、生き延びて22歳を迎えることができたんだという
シンプルな喜び
それと、誕生日っぽいことをするだけの体力がついたんだなぁと実感した嬉しさ……なのかな
とにかく祝ってくれてありがとう。
でも、こうも思う。
22歳という歳は、順調に進学している人だったら、就活をしていたり、もう内定が出ている人っている年齢だ。
そういうリアリティーがチリチリと背中を焦がしている。
そんな気がする。