*母の記録*

 

 

2016年4月15日

退院し、咳は出るものの腹痛もなく、食事も少しずつ食べられるようになってきた矢先、買い物から戻ってくると息子が頭が痛いというので熱を測ると38.5度ありました。

血圧は自宅のオムロンで101/68

一旦下がった熱も明け方また上がり寒いと言ってがくがくしはじめました。

4月16日 朝5時 38度 血圧95/66

6時在宅の医師の緊急電話へ連絡すると、救急へかかったほうがいいと言われすぐに

息子を連れて行きました。

採血と造影剤のCT

 6時00分  39度     血圧95/66

 9時00分  39.1度    血圧85/50

10時40分                        血圧72/47

ポートからの感染を疑うとともに、CT検査で肺と腹部の確認。

胆のう炎の疑いもあり、お腹の超音波検査もしましたが、胆のう炎ではなく、またポートの針を外しポート部を押しても痛みがないため、結局どこから菌が入ったのかは不明のままICUへ入院となりました。

この病院で2年間入院してきたけれどICUは初めてで、心電図のモニターが常にピコンピコンと鳴り続け看護師さんが何度も血圧を測ります。

すぐに抗生剤のメロペンとバンコマイシンの点滴、昇圧剤のノルアドレナリン。

夜主治医が来て、血圧が下がる状態は非常に危険だった。1〜2週間しっかり抗生剤をいれてみていくということでした。

 

 

 

4月17日(ICU2日目)

3時00分  37.4度  寒いと言ってがくがくしている、布団と湯たんぽ追加

3時25分  38.5度  まだ寒いと言ってタオルケット追加 眠れず嘔吐

6時30分  39.6度  血圧104/62            

採血2か所から血液培養検査

このとき息子が『俺、死なないよな?』と不安をもらす。

8時 救急で診てくださった先生が病室へ

最初の3日間くらいは熱が出る、熱が出る間が空いてこれば大丈夫、抗生剤が効いてくるのを待つしかない。

💉採血

WBC20,000 CRP21.36➡今まで見たことない高値

抗生剤のシプロキサン追加 

17時00分  37度 血圧127/88

23時00分  36度

 

 

4月18日(ICU3日目)

3時 39.3度 寒い、眠れない、悪寒強くなる 布団追加

昨日と違い息ができないと言って発作が起きる

10時回診

部長と入院担当は男のM先生

💉今朝の採血

WBC13,000 CRP15.02

白血球も炎症値も下がっているので薬が効いているようだが一部効きの悪いものもありそれを変えてみると、今は菌の特定を待っているとのことでした。

夕方主治医がきて、緑膿菌が出たとのこと、熱が出るということは菌がまだ死んでいないということ。腸内環境が整っていないのですぐに入ってしまう、抵抗力の非常に低下した人に菌血症や敗血症をひきおこすと。

 

 

*僕の記憶*

 

 

寒くて体が震える。

メタファーとかじゃなくてほんとにガチャガチャと触れる。

それは確かに今までいない何かやばいことが起こっている予兆だった。

 

僕は死にそう。

周りの人たちも、めちゃくちゃ心配してくれている。

体もガクガク。

もうやばそう。

でも!

案外、僕はけろっとしていた!

 

敗血症というのは、医療ドラマなんかにもよく出てくる血液の感染で、まぁかかるとやばいことになる。だいぶやばいことになる。

 

今回僕はICUと言うところに連れてこられた。なんだかうすら寒く、ぴぴぴ…と、絶えず何らかの計器の音が鳴り続けている場所で、かなり緊急性の高い患者ばかりが運び込まれているので、看護師さんや医者たちの歩くスピードが尋常じゃなく早い。てんてこまいという感じだ。

患者は「部屋」と言うよりは「処置室」と言うべき個室に案内され、酸素吸引機やら、点滴代やらいろんなガチャガチャしたものに囲まれて過ごすことになる。

 

それ自体はいい。

不思議なことに怖さよりも、奇妙な懐かしさと、慣れがあった。

初めて入ったICUなのに、僕はこの病院で何年も過ごしてきたと言う自負があるから、この程度のことが乗り越えられないわけがないとでも思っていたのかもしれない。

僕の家の中でどれだけやばいことが起こっているかなんて、考えたって無駄。このスタンスは全然変わっていない。僕は僕にできることをするだけ。闘病って終始そんな感じだから。

さあ始めていこう。

こんなのはただの治療だ。