*母の記録*
2016年3月28日
血液内科受診
今日からまた主治医が変わります。
入院中は移植回診で週1回病室に来てくれた女のS先生
採血の他、肺機能検査、検査の結果、先生からきいたのが『閉塞性細気管支炎』という病名、指定難病にもなっていることはもっと後で知ります。
吐く力が弱く、悪化するならステロイドを増やすしかない。複式呼吸など呼吸リハビリも大切で進行させないことが大切。そして今日の採血でも肝臓の値は悪く、
肝機能悪化の原因を1つずつ消し込むため、まずは最近増やした薬の胃薬のファモチジンを2週間ストップ。
(AST102/ALT105/ALP766/㌏GTP884)
今日はここ最近で一番調子が良く嘔吐もなし、院内を杖を使い歩くことができました。
2016年3月29日
調子が良かった昨日とは変わり、今日は退院後初めてお腹が痛むといい、その痛みがどんどんひどくなっていきました。
ロキソニンを飲んで様子を見ていましたが、2日後心配で三重大へ電話して先生に相談しました。
熱がないこと、お腹が張っていないこと、便が出ていることから、緊急性はないだろう、何かが起こっているとすればロキソニンも効かない、たぶん食べることができているので腸が活発に動きその痛みだろうと言われました。
確かに最近は吐くことも多いですが食べられるようになっていました。
*僕の記憶*
これまで僕は1年半、完全絶食という状態にあった。一切の固形物が腸を通っていかなかった。僕の消化器はずっと眠っていた。
1年半ぶり叩き起こされた消化器は、さぞびっくりしたことだろう。僕がまた日の目を見ることがあったのか〜! 嘘だろ〜全然準備しなかったよ〜。
紛れもない自分の体の一部なのに、どこか自分とは別の人格を持っているように思えてならない。
まぁでもそれも当たり前だよな。
消化器は勝手に起動するものだから。
僕の意思など関係なく、送られてきた食物をせっせと分解して、体中にエネルギーを届ける。年中無休。人は生きると言うことを考える時、心臓のことばかり考えがちだけど、生物には心臓よりも先に消化器があった。この世界の生き物はお碗か、筒に大別される。そして人間を筒なんだよ。ちょっとでかい脳がくっついただけの、歩く筒なんだろうなって、最近よく考える。
話を戻すけど、そんなずっと休んでいた消化器だから、今僕が食欲の化け物と化してなんでもかんでも食いまくっているせいで、痛みを僕に伝えているんだ。
ちょっと勘弁してくれ
と、絶対言ってるんだよな。
ほんとに申し訳ないわ。
でも、僕のために動いてもらわないと困るんだよな。
さて、陰気な話ばっかりしてきたけれど、当然楽しいこともいっぱいある。当たり前だ。ここは娑婆なんだから。
何が1番楽しいかって言うと、これ。
いや、もうほんとに楽しい。
食べ物とか飲み物とか生活用品とかがそこら中にある。こんな事は病院の中ではありえないんですよ。
世の中ってこんなに豊だったんだなーって、実感する。
棚に充填された一面の冷凍食品の、色とりどりのパッケージを見るだけで、本当に心が踊る。チーズひとつをとっても、シュレッドチーズからカマンベール、ハート型チーズ、ブルーチーズまで、たくさん並んでいる。
楽しい。
生活するって事は、こんなに楽しいことが溢れてるんだと、実感しました。