*母の記録*
2015年6月23日
<day+377>
師長が経腸栄養指導の有名なDr.がいる病院へ転院を視野に入れ、セカンドオピニオンへ行ってみたらどうかと
声をかけてくれました。
新聞に保健衛生大学病院の医師とNSTチームの記事が掲載されていました。
(※NSTチームとは、栄養サポートチームのこと)
すぐにお願いして主治医に診断書の依頼をしてもらいました。
いつものトランプをして文芸社からの電話を待っていました。
結局、説明会のときに持参した小説ではなく後から送った『BAMBOO GIRL』の方を書籍化しようという事になり息子とも話して、一気に元気になりました。
今日から退院の準備として、モルヒネをフラッシュする代わりに内服の『オキノーム散』へ。
2015年6月30日
<day+384>
今日からモルヒネを流すのもやめ、痛みが出たら内服で対処することに、自宅療養に備えての練習です。
フェントステープ1㎎を試しましたが、痛くて眠れなかったと、夜中トイレへ行く回数が増えてしまいました。
2015年7月1日
<day+385>
今日から潰瘍性大腸炎の薬の『ペンタサ』を試してみることに。今回食べたことにより、腸の痛みが長引いている、劇的な効果はないかもしれないが試してみましょうと。4月から主治医が変わり、新しい薬を試してくださることが嬉しくてやはり期待はしました。
2015年7月3日
<day+387>
朝、病室に着くとオキノームを既に2回内服、飲んでも効かないようです。
毎日ずーと寝ていて以前のようになかなかパソコンに向かうことができません。
21時半オキノームを飲ませてから帰りましたが、家に着くとお腹が痛いとLINEがあり
直ぐに戻り付き添いました。
痛みがましオキノームも効かず痛みで全く寝れず不安な夜でした。
先生がいつもより早く来てくれて、新しく始めたペンタサが腸に直接効くタイプなので腸に負担がかかっているのかもしれないと念のためCT検査、結果は前回と同じ、結局フェントステープを1㎎から2㎎へ変更となりました。
2015年7月8日
<day+392>
今朝の採血で白血球の数値が3万越え、跳ね上がっていました。
何がどうなっているのかわからず、それでも退院の準備だけは進んでいきます。
今日からステロイド点滴が内服の『プレドニン』へ変わります。
頓服の『オキノーム』が5㎎から10㎎へ
*僕の記憶*
ついに、ここでやっと、話題に出すことができる
僕の人生で初めての書籍制作について。
ただこれは商業デビューではなく、
あくまで自費出版の話。
それでも、この頃の僕にとっては、命と同じぐらい大事なことだった。
記録の方にも書いてあると思うけど、ここで少し詳しく書く。
まずこの時できあがっていた(もちろんお世辞にも上手い文章ではなかったのだけど)のが、「作品A」と「BAMBOO GIRL」で、両親は作品Aの方を最初に文芸社に持って行ったらしい。
この作品Aというのがスター・シェイカーをもっとわけのわからなくさせたような『文系SFバトルで』、まあそりゃ当然商業レベルに至ってないのは確実なんだけど、それ以上にごちゃついた話で、あんまり自費出版にも向いていないという話になった。
そこでもう一作、闘病中に書き上げた作品が「BAMBOO GIRL」で、
これは中学の頃から小説を書いてきて初めて僕が「伝わりやすさ」を重視して書いてみようと思った小説だった。
今ではずっと、自分が面白いと思うことを絶対視していて、
人にどう伝わるかは二の次だった。
だけどどんなに面白いことを考えても、
その面白さが伝わらなければ全然意味がないってことを
ようやくこの頃考え始めていたらしい。
とにかく、
BAMBOO GIRLを自費出版で出すってことになって、
僕はもう少し生きてみたいと、
思えるようになったのだ。
この頃よく作業していた病棟隅。
圧倒的にお行儀の悪いこの写真、一応ちゃんと足は消毒していた(そういう問題じゃない)
ちなみに手前に見えているカップは、唾液を溜めておくカップを持ち運ぶために使っっていたカップのカップ。取っ手が便利だったんだ。