*母の記録*

 

2015年4月3日

<day+296>

7回目の大腸内視鏡検査

前回の検査から2か月経ちました。

狭窄は良くなるかも? と思っていましたが、S状結腸が詰まって先には進めなかったそうです。

粘膜にひだひだのが付いている箇所もあり詰まっている原因が何か?

新しく攻撃しているのか?

治る過程のものなのか生検での確認待ち。

肺炎の方はほぼ影もなく良くなってきているが、予防のため薬は続けていくと。

 

2015年4月8日

<day+301>

生検結果を主治医に聞きました。

新しく攻撃しているわけではなく、治る過程で線維化しているのではないか。

これからも収縮したり開いたりの繰り返しになるだろうが、栄養をはじめ様子をみながらやっていきましょうとの説明でした。

 

 

ここからの1か月は週3回の脂肪乳剤の点滴にペプチーノを1日1本

咳と嘔吐と腹痛は変わらずという毎日でした。

咳の原因は気管支炎で、肺活量の検査をしたところ吸う力も吐く力も移植前より低くなっていて、クラリシッドとシングレアの内服が増えてしまいました。

 

 

2015年5月13日

<day+336>

8回目の大腸内視鏡検査、1か月前と変わりなし。

食事を摂る望みがなくなり絶望となりました。

 

 

2015年5月15日

<day+338>

腸注検査

お尻から空気を入れてどれだけ広がるか見た結果、S状結腸の2か所が狭く、また狭窄のある距離が長すぎて(範囲が広い)膨らませたり広げたりすることができないし、また現状では外科的な手術も無理との話でした。

生検では悪化はしていないが、潰瘍部分に炎症はまだ残っている、今後は味のトレーニングも含め何とか病院の低残渣食まで持っていきたい、腸閉塞が起こらないかみていくと。

 

2015年5月19日

<day+342>

肝臓の超音波検査をで脂肪乳剤の点滴の影響で脂肪肝になっていることがわかりました。

このころの息子は絶望でほとんど話さずそれでも小説だけは書いていました。

 

 

*僕の記憶*

 

 

上の写真は、覚えてる。

口が膨らんでいるのは、中に唾液がたくさん溜まっていたからだ。

前の記事でも書いたけど、

この頃はずっと口の中に唾液が溜まる。

三十分おきくらいに吐き出さないといけなかった。

だから自然と、言葉が減っていった。

喋らず意図を伝えるために、スマホのiCloudメモに文字を打ち込んだり、ジェスチャーで伝えるようになっていった。

 

***

 

 

何よりタチが悪いのは、一度希望を示されること。

その希望が奪われること。

腸の炎症がわかって、

狭窄がわかって、

どうしようもない気持ちになって

でも、そこで経腸栄養を入れていこうということになって、

こっちも前向きな気持ちになって、

それで正直、

口には出さなくても、

このままいけばなんとかなるかもって、思うじゃん。

内心では。

 

 

そんな都合のいいことはなくて、

現状は何も変わらなくて、

口の中は唾液でいっぱいで、

薬の力を借りないと眠ることもできなくて、

ただ、

痛みを感じているだけ。

 

 

なんだったんだよ、僕の人生は。