*母の記録*
2014年12月25日
<day+197>
下痢を止める最後の治療
顆粒球吸着療法がとうとう今日から始まることになりました。
前日腎臓内科の先生がルートの確認のため病室に来てくれました。
今回の治療のためにCVカテーテルを右の首(内頸静脈)から新しく入れたのでその確認です。
14時から透析センターで始まりました。
治療は週2回、合計10回の予定。
本来は付き添えないそうですが、他に患者さんがいなかったので今日だけ特別に付き添いをさせて
いただけることになりました。
後で息子が言っていました。透析センターの看護師さんが始まる前不安だった息子の手を握ってくれていたそうです。
途中部長と師長が様子を見に来てくれました。
この治療で下痢が止まり、腸にできた狭窄が良くなりますように祈ることしかできません。
2014年12月27日
<day+199>
朝また熱が出ました。38度2分
血液培養検査のための採血とすぐにファーストシンの点滴。
もちろんアンビゾームの点滴も続いています。
主治医が緊急の用事で1週間ほど休まれるためしばらくは代わりの先生です。
今日はアニメの寄生獣を息子と観ました。
移植の時60キロだった体重はこのころは46キロほど。
2014年12月29日
<day+201>
朝採血データでCRPも上がっていないので、今回は多分菌は入ってないでしょうと、
2回目の顆粒球吸着療法も無事終わりました。
今日から寝る前にユーロジンという作用時間の長い眠剤を飲むことになりました。
息子は担当看護師に起きていると惨めだから、昏睡状態にしてほしいと頼んでいました。
カーテンは閉めたまま、シャワー以外1日ほとんど寝ていました。
2014年12月30日
<day+202>
今日は息子が楽しみにしていましたが、結局出席できなかった母校の成人同窓会の日でした。
同窓会の帰りか、友人2人が面会に来てくれました。
*僕の記憶*
そういえばクリスマスか。
知らんけど。
顆粒球吸着療法というのが始まるらしいが、
僕はすでにそんな話を聞いていなかった。
だって、それがどんなに画期的な方法だとしても、効くか効かないか、それしかないじゃないか。そして効いたかどうかは体が楽になったかどうかで、結果はわかるんだから。
僕はどうせ選択肢があれば試すに決まっている。
日本で行われる医療倫理の範疇であれば、きっとそれは6分の5で死ぬギャンブルとかではないはずだ。
だから言われた治療は全部やる。
親が勝手にゴーサインを出して
医者が勝手にやる。
最近、ずっと考えていることがある。
誰かが、この時間を代わりに過ごしてはくれないだろうか。
お金を払うから一ヶ月、一週間。僕の体でいてくれないだろうか。
それは誰かに迷惑をかけることなので、
もっと引き下がってもいい。
僕の意識を消してくれないだろうか。
起きているとつらいから、ずっと眠っていたかった。
なるべく長い時間眠りたい。
一日は、この体で過ごすには長すぎる。