*母の記録*
2014年12月2日
<day+174>
脂肪乳剤を入れ始めてから腹痛がひどくなってきたように感じていました。
血便の中に粘膜を見つけることもあり不安でした。
移植後から夜も付き添っていた私に師長が夜はそろそろ帰ったら?と言われたのが昨日のことです。
深夜の腹痛で息子が不安になり夜は帰らないでほしいというので師長にも説明して
継続させてもらえることになりました。
2014年12月6日
<day+178>
腹痛がひどくモルヒネをフラッシュしても効かず、眠ることができない日が続いています。
脂肪乳液は血液に入り胃腸には関係ないとの説明でしたが、結局脂肪乳剤の点滴は中止となりました。
さらに昨日撮ったレントゲン結果から、肺炎が悪くなっていることがわかり
アンビゾーム点滴の量が2倍になりました。
毎日のように吐いていましたが、2倍になってからの嘔吐はさらにひどく
見ていて本当に辛かった。
何かすこしでも楽しめないかと、WiiUのピクミン3を買って渡しました。
息子が初めてゲームをしたのは確か小学1年生の時のピクミンでした。
この時はまだ個室だったので本当にありがたかった。
*僕の記憶*
僕が子供の頃、最初にニンテンドーのゲームキューブでやったゲームが、たしか無印のピクミンだった。
宇宙で運送業を営むオリマーが隕石にぶち当たって未開の惑星に墜落し、そこで出会った半植物動物ピクミンに気に入られて指揮者のように振る舞い、散らばった宇宙船のパーツを集める過程で土着の生態系を破壊していく……いうゲームなのだけど、
ピクミンや敵のキュートなデザインといい、その奥に隠された深い哲学といい、オリマーの切実さといい、全てが最高のゲームだった。
2では1のような切実さこそ失われたものの、やり込み性が極限まで高められやはり最高のゲームだった。
そんなピクミンにも3が出ていたのか。
なんだこの岩みたいやつ…
いくら個室といっても、テレビの大きさは他の病室と一緒。ゲームの音量は小さく抑えればイヤホンなしに聴くことができるけれど、入院患者にとってテレビの位置は高すぎる。その高さはベッド自体を上昇させることでなんとかなるけれど、もっと大きな問題としてテレビはテレビ台という移動式のトーテムポールみたいなものと一体化しているので、ベッドの側面にしか配置できない。
だから寝ながらやろうとすると、首がめっちゃ疲れるのだ。
それでも個室にWii Uを置かせてもらっていたのは、
少しでも闘病を前向きに捉えたいと思っていたからだと思う。
なかなか、使う機会はなかったのだけど。
***
お腹が痛い。
決定的な苦しみじゃないけれど、それが日々を少しずつ削っていく。
なんか疲れたな。