メイド喫茶って名前は、誰でも聞いたことがある。
僕もそう。
でも、行ったことがなかった。
愛知県で高校生やってた時も、
学祭でメイドのコスプレしたこともあるってのに、
今まで一度もちゃんと行ったことがなかったんだ。。
上京五年目。
ついに『at-home cafe』というところに行ってきた。
どう考えても一人で行くのは胆力などないので、
今回は大学の後輩のプロメイドカフェコーディネーターに連れてってもらった。
秋葉原のat-home cafeはビルの階名を冠した店舗が並んでいて、3〜7階ぐらいまでが全部at-home cafeという状態。
中でも5階が予約なしには入れない人気ぶりで、僕らは6階に入った。
パステルカラーの店内に入ると、メイド服を着た女性が接客している。
メイドカフェの店舗は「客が元来住んでいた屋敷」であり、
来店することを「屋敷にご主人様がご帰宅なされた」という認識で、接客が進んでいく。
こちらが「えっ、住んでないですけど」みたいなことを言っても、
ノベルゲームみたいに強引に「それは忘れてるだけです」という具合に設定に引き戻される
なるほど異様だ。
「デザインされた空間」が持つ、踏み入れた人間の襟を正されるような空気が、まずは全身を包む。
なんだろうな。ディズニーシーに行った時と同じような。すでに出来上がった世界があって、その世界の理に殉ずる限りお前を幸せにしてやろう、という契約を結ぶ感じ。
「かわいさ」という理に支配された異界。
これはカルテル的なもので、
メイドがシェイカーを振る際に「言葉の追いかけっこ」を求められる。
「しゃかしゃか」「しゃかしゃか」「しゃんしゃん」「しゃんしゃん」みたいに。
敬虔さが試される。
そしてチェキなるものを撮る。
一緒に写ってもらうメイドはリストから選択できるが、僕は接客してくれた方にお願いした。
今時稀な、物質性を持つ写真。
ちなみにドリンクとチェキのセットで1800円とか。そこにテーブルチャーチが750円くらいかかる。安いものだ。
写真は以下のような紙のファイルに封入される。
撮影の際は、自分で特にポージングをお願いしないと、
デフォルトで三つのポーズから選ぶことができる。
他の二つは忘れてしまったが僕はベーシックな「にゃんにゃん」を選択した。
僕のドレスコードは完璧だ。
という具合。
楽しかったし、社会勉強にもなった。
この『at-home cafe』というところはメイドカフェの原点のような店らしく、サービスは素晴らしかった。
私見では、ディズニーのテーマパークが建物の中に格納されているような、安価にアクセスすることのできる異界という印象だった。
世の中にはいろんな商売があるんだなあ。
そのごエチオピアのチキン豆カレー45辛を食べた。
とても美味であった。
だがイキって45にしてほんとに後悔している。
35でいい。